介護や相続で辛かったのは人間関係 私を守った記録の話

介護

介護や相続の話になると、よく「手続きが大変だよね。どうやって対応したの?」と聞かれます。

…たしかに。

施設探し、介護認定、通院の付き添い、保険や預金の管理、書類を代理で作って役所へ走り回る……。確かに作業は多かったです。

本当にしんどかったのは、手続きそのものではなく、人とのやり取りがとてもしんどかったな…。

家族の温度差。言った言わないで揉めたり、誰がやるのか曖昧なまま話が進んでしまったり。職場・役所・施設、それぞれの立場で話す中で、全体をつないで回す人がいない。

気づけば、その役目を自分が引き受けていました。

書類の複雑さより「人ごとの前提の違い」が重かった

最初は、制度を調べ、必要な手続きを確認して、チェックリストをつくり、優先順位をつけていけばなんとかなる。そう思っていましたが現実は簡単にはいきませんでした。

家族の中でも前提がバラバラ

血のつながった家族、親族が同意見とは限りません。介護イメージ、金銭感覚、優先順位もそれぞれ。「大変だね」と言いながらも任せっきりにしている。なんて結構ありますよね?

私は任せられる側でした。しかも、他の人が動くと状況が悪化して私にバトンタッチされることが続いたので、いっそのこと自分がやればいいんじゃないかと、ついつい手を出してしまう…それが正直なところです。

職場・役所・施設は、それぞれの立場でしか話さない

職場は職場の事情で話し、役所は制度の範囲内で話し、施設は現場の安全面から話します。それぞれから見れば間違ってはいないのですが、「つなぎ目」がなければ、一方通行になってしまうのが難しいところです。

手続きの量に疲れたというよりも「人ごとに違う前提を毎回毎回手間をかけて埋めていかなければならない」ことに私は疲弊していきました。

どんな場面で疲弊してしまったか?

役所に行った、電話をした、書類を出した。と書いていくと、ただの事務作業のように見えるかもしれません。でもその前後に、人とのやり取りや資料準備、メールや電話のやりとりなどたくさんの作業があります。

  • 事前に書類を準備しても、「自分は別に見る必要はない」と言い出す人がいる
  • 期日がある書類を送っても、返信が来ない。再配達のまま返送されたこともある
  • こちらは急いでいるのに、相手には緊急性が伝わらない
  • やっと話したと思ったら、「それは聞いていない」と言われる

私は何度も「言ったつもりだった」「伝わっていると思っていた」「確認したはずだった」というセリフを聞かされ、期日ギリギリで間に合った。ということが何度もありました。(心を鬼にして淡々と処理しましたけどね。)

居住地が遠隔地で書類を発送する日数と到着後の準備日数を考えて送っているんだけどな…。

こういうことは一度では終わらず、予定が変わり、説明もやり直し。

こんなことが続いたものですから「ちゃんとできていないのでは自分では?」「自分の段取りが悪いのでは?」と責めてしまったのは、他でもない私です。でも今振り返ると、私の力不足だけではない。しんどくなるのも当然だったと思います。

一番問題だったのは、「違う種類の問題が同時に重なった」こと

介護や相続では、いろいろな問題が同時に起きます。

  • 手続きの問題
  • 人間関係の問題
  • お金の問題

本当は別々に考えたほうがいいのに、疲れている時ほど全部が一つの大きな塊になって見えます。

たとえば、「手続きが進まない」と感じていても、実は必要書類の問題ではなく、家族の合意が取れていないだけかもしれません。「家族ともめている」と思っていても、本当は感情だけではなく、費用負担の不公平さが原因かもしれません。

私も当時は、話し合えば解決すると思い奮闘し、調べれば解決すると思い資料を作りながらも解決せず、我慢すれば何とかなると思ったものの…。ただ疲れだけが増すばかりでした。

でも、問題をしっかりと分けて考えるようになってからは変わりました。

今、介護や相続関連のことをこなしてとてもしんどいな…と思っている人に、私の経験からぜひやってほしいのは

たくさん書き込める手帳を一冊用意してください。

私は伯母用・祖母用2冊買い、住宅会社や遺品整理屋さんとのスケジュールを書き込み、電話や打ち合わせの会話を箇条書きでもいいので書き込んでいました。

祖母が亡くなった後は亡くなった日からの記録として新たに手帳を購入。葬儀の流れやお布施の金額、必要だった書類などを書き込んだり、その日の出来事を箇条書きでもいいので残していました。名刺をいただいたらもらった日とやり取り内容を書き、名刺を張り付けたりしました。

スケジュール忘れ防止でもあり、同時並行で行っていたので行動履歴として後に読み返し、再確認する。というのも行っていました。

これでも直前で思い出したりすることもあります。もうその時は「自分の手順が悪かった」と認めて反省し、新たな方法で進めていきましたね。

たくさん書き残したことが私にとって「頑張った記録」でもあり「理不尽な親族の言い訳を打破する証明」でもあったのです。調書まではいきませんが、何気ない会話で頭に残っているフレーズも残していました。

私を助けたのは、感情論ではなく記録だった

人とのやり取りで苦しくなると、ついその場の感情に引っぱられます。腹が立つ、悲しい、もう話したくない、なんで自分ばかり…そう思うのは自然です。私も何度もそうなりました。

でも、感情が大きくなるほど、あとで必要になるのは気持ちの強さではなく、やはり記録でした。

  • いつ、誰と、何を話したか
  • その時、どういう説明があったか
  • 次に何をすることになったか
  • 期限はいつか
  • 自分が不安に思った点は何か

これだけメモに残すことによって後に自分を守ってくれます。言った言わないの水かけ論になった時も、少なくとも自分の中で話が崩れにくくなります。

これは相手を責めるためというより、自分が潰れないための記録でした。感情だけで抱えている時は、全部が自分のせいに見えやすいです。でも、記録にすると、状況の複雑さが見えてきます。

一番効果があったのは書き込むことで次に何が必要か、何が問題か、何が優先かなど次の計画を立てる盾になったことです。

私はそれでようやく、「私が弱いから回せなかったんじゃない。最初から、人が多く関わる複雑な問題だったんだ」と思い直せた時もありました。

そして要件を片づけた後は何年もみませんでした。

…思い出しただけでもストレスになる、もう思い出したくない、私は悪くないのに頭下げて走り回ったことなんて思いだしたくない…。

きれいごと言っても、しんどかった。辛かった。何度も泣いた。

ブログに書き残すようになったのも自分の経験が役にたったと喜んでくれたことからです。

私は自己肯定感が低いので二度と見ることはないと思っていた手帳。それをやっと読み返して、これはこのブログを見てくれている誰かが役立つかもしれない。そう思い書いています。

私も新たな情報を知り、理解が深まることもありますし、これまで頑張ったことは無駄じゃなかったんだ。そう思いました。

私が書き込んだ手帳の一部です。書き込んでいくうちに足りなくなって補充したこともありました。

家族だけで抱え込まないために、第三者を入れてよかった

家族だけで何とかしようとすると、どうしても過去の関係や役割が影響します。昔からよく動く人がまた動く。言いやすい人に負担が集まる。感情の履歴まで持ち込まれて、目の前の話がまとまらない。

第三者が入ると、それだけで全部が解決するわけではありません。でも、話を整理する支点にはなります。

  • 介護のことなら → 地域包括支援センター
  • 法律や相続なら → 法テラス・司法書士・弁護士
  • 自治体の相談窓口・介護者の支援窓口も選択肢に

大事なのは、「自分だけで抱えないことは逃げではない」。各相談先には得意分野があります。介護の相談先と、相続の相談先と、労働の相談先は同じではありません。最初に何に困っているのかを整理しておくことで、相談の精度も上がります。

先に守るべきだったこと。自分を大事にすることだった

当時の私は、何とか穏便に進めたいと思っていました。家族・親族・職場に迷惑をかけたくない、できるだけ丸く収めたい——そう思って、かなり無理をしていたと思います。

全部に配慮しながら、全部を一人でつなぐのは無理です。

もっと早く「私は今かなり消耗している、うん、疲れてるよ、無理しちゃだめだよ」と認めたほうがよかったかもしれません。

  • 全部を説明して理解してもらおうとしすぎない
  • その場で結論を出そうとしすぎない
  • 相手の機嫌まで背負わない
  • 記録を残して、必要なら第三者を入れて、仕組みで守る

そのほうが感情的にもならずに淡々と対応できたと思います。

介護や相続は、やさしい人ほど抱え込みやすいのかもしれません。すべて抱え込んでしまうのはよくないです。本当に。

だってあなたが弱いからではありません

介護や相続で消耗すると、つい自分に原因を探してしまいます。もっと要領よくできたのでは、もっと早く動けばよかったのでは——私もそう思っていました。

でも、今は違います。

介護や相続でつらいのは、書類が多いからだけでも、制度が複雑だからだけでもありません。

人が関わるから、複雑になる。

そして、その調整役を一人で背負えば、消耗して当然です。

混ざったままだと、しんどさだけが大きくなります。分けると、相談先も、優先順位も、少し見えやすくなります。そして、記録を残してください。一人で抱え込まず、必要なら第三者を入れてください。あの時の私は、それがもっと早く分かっていたら、もう少し自分を守れたと思います。

もし今、同じように人とのやり取りで削られているなら、それはあなたが弱いからではありません。ただ、状況が複雑だっただけです。その中でここまでやってきたなら、もう十分がんばっていますよ。

私の経験で一番の盾になった手帳を作り書き込むこと。

デジタルでもいいですので目を通せるものを残しておくことはおすすめします。

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