家系図を作ったり、相続の手続きが必要になったときに必ず登場するのが
「戸籍謄本(こせきとうほん)」。
一番身近であるパターンは親族が亡くなった際の手続きで発生することではないでしょうか?
『被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本が必要なので取得してください…』
『相続人全員の戸籍謄本を取って…』
『被相続人の住民票の除票をつけて…』
『相続人全員の住民票も…』
『遺産分割協議書には印鑑証明書が…』
…???。
相続などの事務手続き。正直誰もが疲弊しながら行っていたのではないでしょうか?私の場合は、かなりハードな時期に重なってスムーズに進みませんでした。
東日本大震災が起きて間もなくで亡くなった父。新型コロナウイルスがまん延して病院も施設も世の中も閉鎖されていた時に祖母が亡くなり、落ち着いた矢先に叔父の孤独死。これだけの経験をしてでも「あれ?これってどうだったけ?」と考えてしまいました。
聞いたことはあるけど、実際には「どこで取れるの?」「何が書いてあるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
ここでは、戸籍謄本についての基礎知識をわかりやすくまとめました。
戸籍謄本とは?
戸籍謄本は、日本における個人の出生から死亡までの親族関係や婚姻関係、本籍、氏名などを証明する書類です。
正式名称は「戸籍全部事項証明書」。現在の戸籍(現戸籍)と除籍や改製原戸籍とあります。これらには戸籍に記載されている家族全員の情報が載っています。
人が生まれてから亡くなるまでに、親族や婚姻関係、本籍、氏名といった個人情報が記載されているものなのです。
戸籍謄本と戸籍抄本の違い
「謄本」と「抄本」、似た言葉ですが中身は違います。
書類名 | 証明対象 | 正式名称 |
---|---|---|
戸籍謄本 | 戸籍全員分の情報 | 戸籍全部事項証明書 |
戸籍抄本 | 個人のみの情報 | 戸籍個人事項証明書 |
家系図づくりなど、家族全体のつながりを把握したいときは謄本を取るのがいいと思います。
本人の身分証明や手続きなど、どちらが必要かわからないときは確認するといいですよ。
どんなときに必要?
戸籍が必要な事務手続きの一例です。
- パスポート申請
- 自動車の名義変更
- 相続や相続税の手続き
- 年金や生命保険の請求
- 遺言書の作成
- 婚姻届の提出(※2024年3月以降、原則不要。ただし一部で必要な場合あり)
パスポート申請や相続や家系図づくりでは必須なので、期日がある場合は早めに準備しておくのがおすすめです。
戸籍謄本の取得方法
取得方法は3パターンあります。
● 窓口で申請
市区町村役所の窓口で申請書を記入し、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を提示して請求します。
私はマイナンバーカードを所持していますが手続きがとてもスムーズです。
● 郵送で請求
遠方に本籍がある場合は郵送が便利です。必要書類と手数料(定額小為替)を送れば、後日自宅に届きます。金額は郵送する各自治体に確認してから請求してくださいね。金額は1通450円ほど。
● コンビニ交付
マイナンバーカードがあれば、対応している自治体ならコンビニでも取得できます(セブン、ローソンなど)。自治体によって異なりますが、300円〜350円ほど。
💡 2024年3月1日からの法改正で、
本籍地が遠くても最寄りの役所で取得できるようになりました!これはとても便利!
戸籍謄本に書いてあること
- 氏名・本籍・生年月日
- 戸籍に入った年月日と理由
- 実父母の氏名・続柄
- 婚姻や養子縁組の記録
- 届出や申請の受付日 …など
文字が細かいので、読み取るのにちょっと慣れが必要ですが、読み解いていくと家族の歴史がぎっしり詰まっており、重要なことが記載されているかもしれません。
父方、母方の大叔父が戦死しているのですが、亡くなった場所も当時の戸籍には載っています。〇〇病院で死亡、〇〇地にて死亡。このことを知った時は切なくなりました。2人の大叔父さんの遺骨はなかったんだ…。と。
注意しておきたいこと
手続きに必要な場合は有効期限があります
戸籍謄本、戸籍抄本は法律上の期限はありません。提出先によっては「発行から3ヶ月以内」などのルールがあります。
取得できる人は直系親族のみ。
本人や直系の親族(親・子・孫・祖父母など)が原則。兄弟姉妹などは制限がありますので注意。
おわりに
「家族の証明書」のようなものが戸籍謄本だと思っています。
相続や公的手続き、そして家系図づくりにおいて欠かせない大切な書類。
最近は取得しやすくなってきているので、「ちょっと調べてみたいな」と思ったら、一歩踏み出してみるのもおすすめです。
知らなかった家族の物語に出会えるかもしれませんよ。
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