戸籍謄本ってなに?家系図づくりや手続きで知っておきたい基本情報

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家系図を作ったり、相続の手続きが必要になったときに必ず登場するのが「戸籍謄本(こせきとうほん)」です。

一番身近なのは、親族が亡くなった際の手続きかもしれません。

『被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本が必要なので取得してください…』
『相続人全員の戸籍謄本を取って…』
『被相続人の住民票の除票をつけて…』
『相続人全員の住民票も…』
『遺産分割協議書には印鑑証明書が…』

……???ん?戸籍謄本…戸籍抄本じゃなくて謄本ね…。

相続などの事務手続き、正直だいたい誰もが疲弊しながら進めていると思います。私も例外ではありませんでした。

東日本大震災の直後に父が亡くなり、コロナ禍で祖母が亡くなり、落ち着いた矢先に叔父の孤独死。これだけ経験しても「あれ?これってどうだったっけ?」になります。

聞いたことはあるけど、「どこで取れるの?」「何が書いてあるの?」と疑問に思う人も多いはず。ここでは戸籍謄本の基礎を、まとめました。

注意(大事)
この記事は戸籍・相続手続きに関する一般情報です。必要書類の範囲や運用は、提出先(金融機関・法務局・保険会社など)や自治体、個別事情で変わります。最終的には提出先・本籍地の自治体の案内に従ってください。


先に結論です。

  • 戸籍謄本(正式名:戸籍全部事項証明書)は、その戸籍に載っている「同籍者(夫婦・子など)」の身分事項を証明する書類
  • 相続で言う「出生から死亡までの戸籍一式」とは、転籍・婚姻などで戸籍が複数に分かれることがあるため、連続する戸籍をさかのぼって集める意味で使われることが多い
  • 2024年3月1日から、戸籍謄本など一部の証明書は本籍地以外の窓口でも請求できる(広域交付)
  • ただし、戸籍抄本(個人事項)や附票などは対象外とされる案内がある/代理・郵送は不可とされる案内がある/顔写真付き身分証が必要とされる案内がある、など条件あり
  • 同日以降、婚姻届などの戸籍届出で「戸籍証明の添付が原則不要」になったと案内されている(ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は例外になり得るので注意)

戸籍謄本とは?

戸籍謄本は、日本の戸籍に記載された身分事項(出生、婚姻、離婚、死亡、養子縁組など)を証明する書類です。正式名称は「戸籍全部事項証明書」と呼ばれることが多いです。

誤解されやすい点(ここ重要)
戸籍謄本「1通」だけで、必ず出生から死亡までがすべて載るとは限りません。転籍や婚姻などで本籍や戸籍が移ると、別の戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)を連続して集めてたどる必要が出ます。相続で「出生から死亡まで」と言われるのは、この“連続した戸籍のつながり”を確認するためです。

戸籍には種類があり、相続などでは次の言葉が出てきます。

  • 現戸籍(戸籍全部事項証明書):現在の戸籍
  • 除籍:死亡・転籍などで在籍者がいなくなった戸籍
  • 改製原戸籍:制度変更やコンピュータ化などで「作り直される前」の戸籍

【私の経験から】祖父が亡くなった時ですが、初めて改製原戸籍を見たときはえ?書いているの同じのじゃないの???と見方がわからず混乱しました。(昭和、平成と2度法改正されているので手書きのものと印字されたものができてました。)


戸籍謄本と戸籍抄本の違い

  • 戸籍謄本(全部事項証明書):戸籍に載っている同籍者全員分
  • 戸籍抄本(個人事項証明書):戸籍の中の個人分

家系図づくりなど、家族全体のつながりを把握したいときは謄本が向きます。手続きで「どっちらを提出?」となったら、提出先に確認するのが安全です。


どんなときに必要?

例:

  • パスポート申請
  • 自動車の名義変更
  • 相続・相続税の手続き
  • 年金・生命保険の請求
  • 遺言書の作成
  • 婚姻届などの戸籍届出(※2024/3/1以降「戸籍証明の添付が原則不要」になったと案内されている。ただし例外あり)

期限がある手続きほど、早めに準備するのが現実的です。


【2024年3月1日】戸籍制度で変わった2つ

1)戸籍謄本等の「広域交付」

2024年3月1日から、一部の戸籍証明書は本籍地以外の市区町村窓口でも発行できるようになりました(広域交付)。

対象になる証明書と手数料(例)

証明書手数料(例)
戸籍全部事項証明書450円
除籍全部事項証明書750円
改製原戸籍謄本750円
除籍謄本750円

※手数料や対象証明は自治体で異なる場合があります。最新は各自治体の案内で確認してください。

対象外・注意点(重要)

  • 戸籍個人事項証明書(抄本)や戸籍の附票などは、広域交付の対象外と案内されていることがあります(従来どおり本籍地請求やコンビニ交付の範囲)
  • 広域交付は、本人・配偶者・直系親族が窓口で請求する場合に限られる案内がある(委任状による代理、郵送、職務上請求は対象外とされる案内がある)
  • 本人確認は、顔写真付きの身分証(免許証・マイナンバーカード・パスポート等)に限定される案内がある
  • 本籍地への照会や混雑の都合で、当日中に交付できない場合があると注意喚起する自治体があります
  • 戸籍が電子化されていない(改製不適合戸籍など)場合、広域交付の対象外になり得ます(後述)

2)婚姻届など「戸籍届出時の戸籍証明の添付省略」

2024年3月1日以降、婚姻届や転籍届などの戸籍届出で、戸籍証明書の添付が原則不要になったと案内されている自治体があります。提出先の市区町村職員が本籍地の戸籍を確認できるようになったためです。

ただし例外(要確認)

  • コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は例外になり得る、と案内されていることがあります
  • 改製不適合戸籍などの場合、引き続き戸籍証明書の添付が必要になる、とする自治体案内があります

戸籍謄本の取得方法

1)窓口で申請(本籍地/または広域交付)

市区町村役所の窓口で申請書を書き、本人確認書類を提示して請求します。広域交付を使う場合は、「請求できる人」「顔写真付き身分証のみ」「代理・郵送不可」など条件に注意してください。

2)郵送で請求(基本は本籍地)

遠方に本籍がある場合は郵送請求が便利です。必要書類と手数料(定額小為替など)は自治体で異なるため、本籍地の案内を確認してください。

3)コンビニ交付(対応自治体のみ)

マイナンバーカードがあれば、対応自治体ではコンビニで取れます。ただし自治体により、手数料・対象証明(除籍や改製原戸籍が不可など)が違います。

(補足)オンライン

マイナポータル等のオンライン対応は手続き・自治体で差があります。必要な場合は「自治体名+戸籍+オンライン」で公式案内を確認するのが確実です。


取得できる人(ここで詰まりやすい)

一般的に、戸籍の請求は「本人・配偶者・直系親族(親/子/祖父母/孫など)」が基本です。代理人が請求する場合は委任状が必要、とする自治体が一般的です。

※広域交付に限っては、本人・配偶者・直系親族が窓口で請求した場合のみ、と案内されており、委任状による代理や郵送は対象外とされる案内があります。

【私の経験から】祖母の手続きがとても苦労しました。「孫」ですので直系なのにな…と思ったのですが、本来は伯母が取得すればいいのでしょうね…。すべて私に任せっきりでしたので。


戸籍謄本に書いてあること

  • 氏名・本籍・生年月日
  • 戸籍に入った年月日と理由
  • 父母の氏名・続柄
  • 婚姻や養子縁組の記録
  • 届出や申請の受付日 など

文字が細かく、慣れるまで読みづらいですが、読み解くと家族の歴史が詰まっています。

【私の経験から】父方・母方の大叔父が戦死しているのですが、亡くなった場所が当時の戸籍に記載されていました。「〇〇病院で死亡」「〇〇地にて死亡」――知った時は遠い昔の話ではないんだな…。と。このことがきっかけでご先祖さまのことについて調べるようになりました。


注意しておきたいこと(実務メモ)

  • 提出先によって「発行から3か月以内」などのルールがある
    戸籍自体に法律上の期限はありませんが、提出先が「最近のもの」を求めることがあります。提出先に確認が安全です。

【私の経験から】戸籍謄本を取り始めるタイミングもそれぞれかと思います。住民票(除票)と同じ日に戸籍謄本をとって無駄がないようにできたつもりでしたが、3か月ルールで焦りがでた事柄は叔父の「相続放棄」を進めたときです。裁判所への届け出を逆算してみたらギリギリで直接届けた経験があります。相続の進め方次第で戸籍謄本を取るタイミングをみたほうがいいかと思います。

詳しいことは以下の通りになります。


提出先別:相続手続きの必要書類チェックリスト(銀行/法務局/保険/年金)

相続で「戸籍一式」と言われても、実際は提出先(銀行・法務局・保険会社など)によって必要書類が少しずつ違います。手戻りを減らすコツは、先に提出先へ「必要書類リスト(テンプレ)」をもらい、足りない分だけ揃えることです。

まず共通でやること(手戻り防止)

  • □ どこで手続きするか洗い出す(銀行/証券/保険/年金/不動産の名義変更 など)
  • □ 各提出先に「必要書類一覧」を確認(電話でもOK。必要ならメールで送ってもらう)
  • □ 可能なら「法定相続情報一覧図」を作る(対応している提出先だと、戸籍の束を何度も出さずに済む)

1)銀行(預金の解約・名義変更)でよく求められるもの

ポイント:銀行は「誰が相続人か」「誰が受け取るか」を確認するため、戸籍・印鑑証明・遺言/遺産分割の書類がセットになりがちです。必要範囲は金融機関ごとに異なるため、最終的には各行の案内に従ってください。

(A)遺言書がある場合(扱いは提出先で変わることがあります)

  • □ 銀行所定の相続手続依頼書(相続届など)
  • □ 被相続人(亡くなった方)の戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)出生から死亡までの連続したもの
  • □ 相続人の戸籍(現在のもの。ケースにより全員分)
  • □ 相続人の本人確認書類
  • □ 遺言書(自筆証書遺言は検認や法務局保管の有無など、状況により確認が必要)
  • □ 受取口座がわかるもの(通帳・キャッシュカード等)

(B)遺産分割協議書がある場合(よくあるパターン)

  • □ 銀行所定の相続手続依頼書(相続届など)
  • □ 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印があるもの)
  • □ 被相続人の戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)出生から死亡までの連続したもの
  • □ 相続人全員の戸籍(現在のもの)
  • □ 相続人全員の印鑑証明書
  • □ 通帳・証書・キャッシュカード等(銀行の案内に従う)

2)法務局(不動産の相続登記)でよく求められるもの

ポイント:相続登記は、法務局が「相続関係」と「登記する不動産・取得者」を確認できる書類が必要になります。必要書類は状況(遺言・遺産分割・法定相続など)で変わります。

(A)共通で必要になりやすい書類

  • □ 登記申請書(法務局様式)
  • □ 被相続人の戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍
  • □ 相続人の戸籍(現在のもの)
  • □ 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票など、住所のつながりを確認する書類:提出先の指定に従う)
  • □ 不動産の固定資産評価証明書(登録免許税の計算に使う)

(B)遺産分割協議で名義を決めた場合に追加されやすい書類

  • □ 遺産分割協議書(相続人全員の記名・実印押印)
  • □ 相続人全員の印鑑証明書

※戸籍一式を複数の提出先に出す予定があるなら、法務局の「法定相続情報証明制度」を検討すると、以後の手続きが楽になることがあります(提出先が対応しているかは要確認)。

3)生命保険(死亡保険金の請求)でよく求められるもの

ポイント:保険会社は「死亡の事実」と「受取人」を確認します。必要書類は会社・契約形態で差が大きいので、最初にコールセンターや担当窓口で確認するのが最短です。

  • □ 保険会社所定の請求書
  • □ 保険証券(または契約内容がわかるもの)
  • □ 受取人の本人確認書類
  • □ 受取口座情報
  • 死亡の事実が確認できる書類(住民票の除票、戸籍抄(謄)本など:会社の指定に従う)

【私の経験から】父の死亡保険手続きは迅速な対応でした。ほとんどはコールセンターからのやり取りで完了。郵送された書類に記載をして、必要書類を添付、発送しました。

4)年金(年金受給者が亡くなったとき)でよく出る書類

ポイント:手続き(死亡の連絡、未支給年金、遺族年金など)は状況で変わります。該当する手続きと必要書類は、年金事務所などの案内に従ってください。

  • □ 年金証書(ある場合)
  • □ 死亡の事実を明らかにできる書類(住民票除票、戸籍抄本、死亡診断書コピーなど:案内に従う)

【私の経験から】叔父の未支給年金については住民票除票、戸籍抄本、死亡診断書コピーと書類が多数でした。祖母の死亡連絡については私自身の証明になるものとしてマイナンバーカードが役立ち、父の遺族年金も同様に書類が多い印象でした。改正もありますので年金事務所に連絡をしてから行動に移すのが一番だと思います。

年金事務所のお電話はいつも込み合っていますので時間には余裕をもってかけてくださいね。

最後に:戸籍の集め方だけ覚えておくと楽

  • □ まず「死亡が載っている戸籍(最後の戸籍)」を取る
  • □ その戸籍の記載を手がかりに、ひとつ前の戸籍へさかのぼる(転籍・改製・婚姻で戸籍が分かれるため)
  • □ 出生の記載にたどり着くまで、連続する戸籍を集める

おわりに

戸籍謄本は「家族関係を証明する書類」です。相続や公的手続き、そして家系図づくりで避けて通れません。

2024年3月1日以降、取得や届出が便利になった一方で、

  • 広域交付は誰でも使えるわけではない(窓口・本人等・顔写真付き身分証など)
  • 戸籍抄本や附票は対象外とされる案内がある
  • 改製不適合戸籍などは例外になり得る

など、落とし穴もあります。

相続以外に「私の曾祖父、曾祖母のことでちょっと調べてみたい」など思ったら、まずは1通取る方法から学んでみるのもいいかもしれません。そこから家族の新たな事実が見えてくることもあります。

最終確認日:2026-02-26


参考(公式)

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