福祉大卒でも迷った「介護離職」という選択。─制度と現実のすき間で
介護離職して1年。福祉大卒の私が迷った「支援」と「援助」のちがい。制度と現実のギャップに苦悩しながらも、小さな希望を見つけた日々を綴ります。
家族の介護のために仕事を辞めて、気づけば1年。福祉業界へは進みませんでしたが、福祉系大学を卒業した私でさえ、介護については戸惑いの連続でした。祖母の看取りを経験し、現在は伯母と母の支援を続けていますが、制度と現実のギャップに迷い続ける日々です。
そもそも介護というのは?
【介護とは】加齢や病気、心身の障害などによって日常生活を自力で営むことが難しくなった方に対して「家事や歩行、排せつ、入浴などの身体的・精神的なサポート」を通じて、その人が尊厳を持ち自立した生活を送れるよう支援すること。
AIによる回答
介護という言葉の再定義。
介護は大きく4つのことを指します。
- 身体介護:食事、入浴、排せつ、着替え、移動など、日常生活動作(ADL)の補助
- 精神的援助:不安の軽減と傾聴によるメンタル面の支え
- 生活援助:身の回りの世話掃除、(洗濯、買い物、調理など)
- 社会的援助:介護保険などの活用、外出や社会参加
「介護とは何か?」を改めて考えると、当時の福祉関連の教科書(平成)には「援助」「自己決定」「アイデンティティ」が連なっていた気がします。社会福祉士・介護福祉士の国家試験が始まった頃。昔習った「援助」とは違い、今は「支援」という言葉がとても使われているのだな。と感じました。
できないことを補うだけでなく、できることを尊重し、その人の生活を継続させることが目的。…現実は「援助しすぎて支援のバランスを崩す」こともあるとおもいます。後々ブログに書き残しますが良かれと思ったことが伯母と衝突したりと疲弊する事が多々ありました。このブログを書いている前日も…。
介護の目的として「できないこと」を手伝うだけでなく、「できること」を引き出して、その人らしい生活の継続と自立を支えること。本人の意思や生活スタイルを尊重して必要最低限の支援にとどめることで、残存能力を活かすことが大切ですよ。とは言うものの
…これが出来そうで出来ない。
「できないこと」を手伝いつつ「できること」を自らやってしまう。
その方がストレスにもならずトラブルにならず…っていうこと、皆さんありませんでしたか?
私は「できること」を引き出すこと自体、考えてもいませんでした。「援助」する天秤が多すぎて「支援」が傾く状態になるとトラブルになるんだな。と。
介護の三原則(デンマーク発祥)
参考ですが介護の三原則というものがあるそうです。(私は習ってなかったな…)
- 生活の継続性:介護が必要になっても従来通りの生活を維持し、その人らしく暮らす
- 自己決定の尊重:暮らし方は本人が決める
- 残存能力の活用:今ある能力を生かし、必要最低限の支援にとどめる1
介護・介助・看護の違い
用語 | 主な内容・目的 | 具体例・特徴 |
---|---|---|
介護 | 日常生活全般の自立支援。身体・精神・社会的サポートを含む | 身体介護、生活援助、社会的支援など多岐にわたる |
介助 | 日常生活動作(ADL)を補助する「行為」。一つの動作ごとに完結 | 食事介助、入浴介助、移動介助など身体的サポート |
看護 | 病気やケガの治療・回復・健康維持を目的とした医療的ケア | 医療行為、健康観察、処置、服薬管理など |
支援 | 利用者の自立や目標達成を促すための幅広いサポート | ケアプラン作成、相談支援、社会資源の活用調整など |
援助 | 利用者の困難や課題解決を目的とした手助け全般 | 生活援助(家事代行等)、相談援助、課題解決のための助言や実務 |
やれ介護だ支援だ。…と福祉の言葉が出て来ても詳しい意味はなかなか理解できませんよね。
私も表にして理解できたものもあります。
日本における介護
日本では高齢化の進展に伴い、介護の必要性が増しています。介護保険制度(2000年施行)により、さまざまな介護サービスや施設が整備され、家族だけでなく社会全体で支える仕組みが構築されています。
介護は単なる「お世話」ではなく、本人の尊厳を守り、その人らしい人生を支えるための包括的な支援活動。
知れば知るほど深いものだなと。
介護離職という選択はひとそれぞれ。
私にとっての介護離職は、両立ができなかった自分の弱さがあると最初は思っていました。でも、このままだとすべてがダメになっちゃう。母と伯母の支援が増えていくたびに悩みました。
「家族と自分のことだけ考えてていいんだ」
という選択肢と
「在宅ワークや副業としてハンドメイドも視野に置く」ことも選択肢にあるかな。と考え方が変わっていきました。
あなたの“支援”は、どんなかたちですか?
介護離職という言葉には、今もどこかネガティブな印象があります。しかし、それは家族のこと、自分の人生を真剣に考えた人が選んだ、生き方のひとつと私は考えています。一人一人それぞれ担っている「支援」は、制度では測れないけれど、確かな価値が必ずあると思います。
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