戸籍謄本の保存期間は150年|今すぐ動くべき理由と最新制度

180年前の日本の江戸時代の服装をしている武士から現代の2020年代の男性。 相続・戸籍

戸籍(除籍簿)の保存期間は、除籍後翌年から150年です。2024年3月からは広域交付制度により、最寄りの役所で全国の戸籍を一括請求できるようになりました。ただし、戦災による焼失や古い紙の劣化など、物理的な理由で取得できないケースもあります。家系図作成などの調査は、早めに着手するのがおすすめです。


はじめに|1802年のご先祖様が教えてくれたこと

戸籍謄本を取得して、古い戸籍までさかのぼっていた時のことです。

「享和」という元号を見て、びっくりしました。享和2年(1802年)生まれ——江戸時代の末期に生きていた、私の曾祖母の曾祖母。
「うわぁ…ここまで戸籍ってあるんだ。」それが率直な気持ちでした。

今の私は、曾祖母の曾祖母がいて、たくさんのご先祖さんがいて、生きているんだよね。そう気づいた瞬間、戸籍という書類は、届け出のための法的な書類の一つではなくなりました。

そこからいろいろとたどっていくと、曾祖父の曾祖父の名前が「五右衛門」。五右衛門……。
母が子どもの頃、実家周辺では屋号で呼び合っていたそうです(苗字がみんな一緒だったので)。「五右衛門ってのが嫌でね」と母は話していました。どうやらその屋号はここから来ていたようで、思わず笑ってしまいました。

タイムスリップしているような、不思議なワクワク感。約150年前のご先祖さんは、今の私がここでブログを書いていることを、どう思っているんだろう。

親の相続や実家じまいをきっかけに、わけもわからず「戸籍謄本、戸籍抄本の一部を取ってください」と言われて、初めて戸籍を取った——という方も多いのではないでしょうか。

はじめは「必要だから」だったのに、ご先祖様の名前をひとつひとつ辿るうちに、過去の情景や知らなかった事実がわかってくる。そんな経験が、あなたにも来るかもしれませんよ。

この記事では、戸籍謄本の保存期間にまつわる制度の話と、実際に家系図を作ってみて感じたことを、一緒にお伝えしていきます。


戸籍の保存期間は「150年」。でも油断できない理由

まず、制度の話から整理しておきます。

現在のルールでは、除籍された戸籍(除籍簿・改製原戸籍など)の保存期間は、除籍となった翌年から150年間と定められています。平成22年(2010年)6月施行の戸籍法施行規則改正によるものです。なお、住民票の除票や戸籍の附票が150年保存になったのは令和元年(2019年)の別の改正によるもので、混同されやすい点です。

「除籍」というのは少し聞き慣れない言葉ですが、要するにその戸籍に記載されていた全員が、死亡・婚姻・転籍などによっていなくなった状態のことです。たとえば祖父が亡くなり、戸籍内に誰も残らなくなった時点で除籍となり、そこから150年間は保管されることになります。なお、明治・大正・昭和と時代によって戸籍の様式は異なります。気になる方は、お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで確認してみてください。

1950年に除籍となった戸籍であれば、2101年まで保管されている可能性があります。数字で見ると、ずいぶん長く感じられますね。

かつての保存期間は、もっと短かった

ただし、現在の150年ルールは2010年から適用されたもの。それ以前は、次のように保存期間が定められていました。

時期保存期間
昭和以前50年
昭和後期〜平成21年(2009年)80年
平成22年(2010年)以降150年(現行)

つまり、150年ルールが始まる前にすでに廃棄された戸籍は、取り戻すことができません。古い記録ほど「まだ残っているうちに」という意識が大切になります。

法律上の期間があっても、消えてしまうことがある

もうひとつ、知っておきたいことがあります。

150年という保存期間はあくまで「法律上の目安」です。現実には、戦災による焼失古い和紙の劣化によって、物理的に読めなくなっている戸籍も少なくありません。特に明治・大正時代のものは、保存状態が万全とはいえないケースもあるようです。

ただ、実際に終戦前後の時期に亡くなった方の戸籍をたどってみると、案外残っているケースもありました。「もう無理かも」と思わずに、まず窓口に問い合わせてみることをおすすめします。

また、保存期間を過ぎた戸籍はすでに廃棄されている場合があり、その際は役所から「廃棄証明書」が発行されます。誰でも請求でき、本籍地・筆頭者名・対象期間を指定して本籍地の市区町村窓口で申請する形です。手数料は300〜350円程度が目安のようです。

ただし廃棄の基準は自治体によって異なり、京都市では昭和3年以前の除籍簿が廃棄済みというケースもあります。「取れるかどうか」は、まず本籍地の窓口に問い合わせるのが一番確実です。

なお、廃棄されてしまった記録でも、郷土資料館や教育委員会(文化財・歴史課)、図書館のアーカイブ室などに残っていることがあります。あきらめずに問い合わせてみる価値はありそうです。

「いつかやろう」ではなく、「今動ける時に動く」——それが、ご先祖様の記録を手元に残すための一番確実な方法かもしれません。


【2026年版】もっと簡単に!戸籍を遡る最新のコツ

「先祖の戸籍を取り寄せたくても、本籍地が遠くて…」と二の足を踏んでいた方に、うれしいお知らせがあります。

2024年3月から、「広域交付制度」が始まりました。(根拠:法務省|戸籍法の一部を改正する法律について

これは、本籍地がどこにあっても、最寄りの市区町村の窓口で一括請求できる制度です。請求できるのは自分の直系(親・祖父母など)の戸籍です。たとえば現在は東京に住んでいて、亡くなった父の本籍が九州にある、という場合でも、わざわざ遠くまで出向かずに済むようになりました。

相続手続きや家系図の調査で複数の役所を回る必要がある方には、特に心強い制度ではないでしょうか。

※委任状や代理請求のルールなど、詳細は請求先の市区町村窓口にご確認ください。マイナンバーカードがあればコンビニ交付に対応している自治体もあります。


パズルのピースを埋めるように。家系図作りの楽しみ

最初は「相続のため」「手続きのため」にしか使わないと思っていた戸籍ですが、ご先祖様の名前が増えるたびに、なんだか不思議な感覚になりました。

私自身、戸籍をたどる中で気づいたことがありました。曾祖母が97歳、祖母が96歳——どうやら私の家系は、長寿の血が続いているようです。

さかのぼっていくと、父の曾祖母の曾祖母(私から見るとひいひいひいおばあちゃん)は文化12年(1815年)生まれで、明治32年(1899年)まで生きていたことがわかりました。84歳——江戸時代に生まれ、明治の世まで生き抜いた人が、私の家系にいたのです。当時の平均寿命を考えると、驚くほどの長寿です。

1802年の先祖が82歳まで生きていたことも、その流れの中にあるのかもしれません。

「私は、タフな人たちの末裔なのかもしれない。」人生100年時代といいますが、そう考えると私はまだ半分しか人生を過ごしていないことになります。

Excelからスマホアプリへ。ピースが埋まる心地よさ

最初は自分でExcelに入力していたのですが、枝が広がるにつれて管理が難しくなってきました。そこで見つけたのが、「みんなの家系図」というサービスです。

Webとスマホの両方で使えて、ひとつ名前を入れるたびに家系図の形が広がっていきます。まるでパズルのピースをはめていくような、静かな達成感がありました。

「自分のご先祖様って、どんな人たちだったんだろう?」そう思い始めたら、きっと楽しい時間になるはずです。


まとめ|記録が消える前に、あなたのルーツを救い出そう

項目内容
保存期間除籍翌年から150年(2010年〜現行)
注意点①以前は80年ルールのため、古い戸籍はすでに廃棄済の可能性あり
注意点②戦災・紙の劣化など、物理的な消失リスクもある
2024年の変化広域交付制度により、最寄りの役所で全国の戸籍を一括請求できるように
おすすめの行動「今」取れるうちに請求する。家系図ツールも活用を

戸籍は、ただの行政書類ではないかもしれません。

1802年に生まれた私の先祖の名前が、今もこうして読めるのは、誰かが記録を残してくれたからです。そしてその記録も、いつかは消えてしまうかもしれない。

「取れるうちに取っておこう」——その一歩が、あなた自身のルーツへの旅の始まりになるかもしれません。

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