伯母を「ネガモン」と命名したあの日。費用50万かけて家族信託を選んだ理由。

介護×相続×終活

「親が認知症になったら、銀行口座が凍結されてお金が下ろせなくなる……」

そんな噂を聞いて、不安で夜も眠れない日々を過ごしていませんか?

介護費用や施設代、実家の維持費など、これから大きなお金が必要になるのに、肝心の親の預金が動かせなくなったら「詰む」のではないか——。

かつての私も、全く同じ恐怖の中にいました。

こんにちは、介護×相続×終活の手続き伴走ブロガー、アオゾラパズルです。

私は元事務職として契約書作成や新人教育に携わり、MOS資格も持つ「書類のプロ」……と思っていました。

…が、家族や身寄りのない親族と連続して介護・相続を経験し、さらに伯母の「実家じまい」に直面したとき、その複雑さに心が折れそうになりました。

特に、お金の不安から「ネガティブモンスター(通称:ネガモンと勝手に命名)」と化してしまった伯母との日々は、精神的にも限界でした。 そんな私が、伯母と自分の未来を守るために選んだのが「家族信託(民事信託)」です。

家族信託を検討し始めると、まずぶつかるのが費用の壁です。

「初期費用で50万円以上!?」「手数料11万円払っても不便なの?」

ネットの情報だけでは見えてこない、生々しい現実がそこにはありました。

この記事では、実際に家族信託を運用している私が経験した以下のリアルを全て公開します。

  • 総額50万円超え! 司法書士報酬と信託口座手数料の内訳
  • 事務職の意地! 法定相続情報一覧図を自作して「5万円」浮かせた節約術
  • やってみて分かった! 契約書より大変な「信託口座」運用の落とし穴

「プロに任せるべき安心」と「自分たちでできる節約」。

このメリハリを知ることで、あなたの不安は「具体的な準備」へと変わります。

介護・相続・終活は長距離走です。私のようにストレスで倒れないために、まずはこの記事で全体像を掴んでください。


第1章:お金への不安が性格を変える?伯母を襲った「ネガティブモンスター」の正体

きっかけは、司法書士さんとの「ふとした雑談」

家族信託を知ったのは、祖母と叔父の相続手続きについて、信頼できる司法書士さんに相談していたときのことでした。

当時、私は年休を使い切り、毎週のように車や新幹線で実家に通い詰めていました。そんな私の疲弊した姿を見ていた司法書士さんが、伯母の施設入所と実家売却の話をした時にポツリと言いました。

「……実は、『家族信託』という制度があるんですが、伯母様の資産を守るために良いかもしれませんよ」

この司法書士さんも、私と同じように過去に大きな災害を経験し、人生観が変わるような出来事をきっかけに一念発起して今の仕事に就かれた方でした。

「今、動かないと後で家族がどれだけ困るか」を自分のことのように親身に話してくれた言葉が、スッと胸に落ちたのです。

しかし、始めてみると単なる事務手続きではありませんでした。

伯母が元気なうちに始めておいて本当に良かった。なぜなら、完了するまでに「2年」もかかったからです。

「銀行が倒産したらどうしよう」不安のループ

伯母はもともとこだわりが強めな性格でしたが、夫(叔父)を亡くし、子どももいないため、高齢になるにつれそ「異常なまでの不安」に変わっていきました。

「もし、この銀行が倒産したら、私のお金はどうなるの?」

「このお金は保険でおいておこう」

「あの土地の固定資産税は高い、お金がない(実際はあります)」

その一心で、伯母は預金をあちこちの銀行や郵便局に細かく分散させていました。保険も合わせると、管理している数は両手の指でも足りないほど。

通帳や証書が山のように重なり、本人ですら「何がどこにあるのか」把握しきれていませんでした。なくなった伯父の相続されたといいつつ、未登記だった土地・畑など…。

どうしよう、どうしようじゃなくてまとめないといけないな。こりゃ。私は思いました。

介護する側を追い詰める「ネガモン」の言動

私は、施設入所するにあたって土地・畑の整理をしました。そして伯母の資産を「信託口座」と「年金口座」の2つにシンプル化しようと計画しましたが、整理を勧めると伯母はこう言います。

「何かあったときのために分けてるの。不安だからやってるの!」

安心したくて増やした口座が、残している土地がさらに不安を生む。

夜も眠れず、「お金が足りないかもしれない」「施設に通帳は置けない」「草刈りしなきゃならない」など毎日同じ悩みをループし、施設の食事や職員さんへもネガティブな言動が……。

不安が不安を呼び、周囲を巻き込んでいくその姿は、まさに「ネガモン(ネガティブモンスター)」

「もういい加減にしておくれ……」

喉まで出かかった言葉を私はぐっと飲み込む日々。

(※私はあまりに我慢しすぎて、昨年ストレスで入院してしまいました。皆さんは絶対に溜め込まないでくださいね!)

「認知症=即凍結」の恐怖と、50万円の決断

ある日、「銀行窓口で『本人が認知症なので代理で来ました』と言った途端に口座が凍結された」という記事を目にしました。

凍結されれば、代わりに支払うのも、裁判所へ走るのも、すべて私です。

「感情で戦っても終わらない。法的な『仕組み(型)』で解決するしかない」

何が何でも、家族信託契約書と信託口口座を完成させねば。

これが、私が「初期費用50万円超えの決断」をした、本当の理由でした。

(ちなみにこの50万円、のちに信託口座からしっかりと精算させていただきました! 仕組みって大事!)


第2章:完了まで2年!家族信託を成功させる「5つのステップ」

家族信託は、ハンコを押して終わりではありません。「事務職」の私でも、正直「これ、終わりがないんじゃないか?」と途方に暮れるほどでした。

【ステップ1】資産の棚卸しと一本化(期間:約2年)

10以上の口座や保険、土地・畑などを整理。事情があって伯母の苗字を元に戻す「復氏届(ふくうじとどけ)」の手続きも発生し、全ての名義変更が必要になりました…。今行わなければ相続発生時にとんでもない思いをするのは…親族にいつも押し付けられる私。なので。

アオゾラパズルの知恵:

ここで「法定相続情報一覧図」を自作して活用!

法務局HPからテンプレートをダウンロードし、自分で作成。これ一枚あれば分厚い戸籍の束を持ち歩かずに済むので、窓口作業が劇的に楽になりました。

主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例

【ステップ2】信託の設計とプロへの相談(費用:36万円)

司法書士さんと「誰が、どの資産を、どう管理するか」を決定。契約書の不備は将来のトラブルに直結するため、ここだけは安心を買うためにプロに任せました。

【ステップ3】公証役場で「公正証書」にする

公証人の前で内容を確認。銀行で「信託口口座」を作るには、公正証書であることが必須条件であるケースがほとんどです。

【ステップ4】銀行での「信託口口座」開設(費用:14.3万円)

いよいよ、専用口座を作ります。審査料3.3万+開設手数料11万(!)。

※私が利用した地方銀行のケースです。銀行によって異なります。

【ステップ5】運用開始!日々の管理と届出責任

施設代などを支払う「受託者」としての生活が始まります。毎月の出納帳作成や領収書の保管が必要です。


第3章:総額50万円超え!費用の内訳と「自作」で浮かせた5万円

私のケースで実際にかかったリアルな数字がこちらです。

プロに払った「安心料」:総額 503,000円

項目金額(税込)理由・内容
司法書士報酬360,000円契約書の作成、法的なコンサル、公証役場との調整
信託口座・事前審査料33,000円銀行が「この契約内容でOKか」をチェックする費用
信託口座・開設事務手数料110,000円銀行に専用口座を作ってもらうための手数料

意地で「0円」にした節約術

一方で、以下の手続きを自分で行い、合計で約5万円ほどコストを浮かせました。

  1. 法定相続情報一覧図の自作(節約額:約1.5万〜5万円)法務局のテンプレートを活用。戸籍を読み解くのは大変でしたが、完成した時は達成感がありました。戸籍の見方が理解できたのでこれがきっかけで家系図作りにも目覚めました!
  2. 印鑑証明書等のコンビニ発行(マイナンバーカード活用)窓口(300円〜)より安くなる自治体もあり、何より「待ち時間ゼロ」が最大の節約でした。

第4章:手数料11万円でも「ネット不可」!? 信託口口座の厳しい現実

実際に私が開設した「民事信託専用口座(某地方銀行のケース)」の仕様は、驚くほど制限がありました。

  • インターネットバンキング:利用不可
  • ATM取引:制限あり(基本は窓口。遠方の場合は振込手数料で割り切る!)
  • 利息:なし(全額保護される決済性預金のため)

【保存版】受託者のための銀行届出チェックリスト

「銀行は何も教えてくれない」のが現実です。以下の変化があった時は、速やかに窓口へ届け出る責任があります。

  • [ ] 自分(受託者)の住所・氏名の変更
  • [ ] 自分自身に認知症等の診断(後見・保佐・補助)が下りたとき
  • [ ] 伯母(受益者)が亡くなったとき(相続発生)
  • [ ] 信託契約の内容を変更・終了するとき

これらを放置すると口座が強制解約される恐れもあるため、通帳と一緒にこのリストを保管することをおすすめします。


まとめ:50万円は「高い」か? 家族信託で手に入れたもの

正直、ボーナス何回分やねん……(笑)と思う出費でした。

手数料11万円払っても不便さは残ります。

それでも、私は「家族信託をやってよかった」と断言できます。

一番の成果は、管理権限が私に移ったことで、伯母が「通帳がない!」とパニックになることがなくなったこと。施設利用料、医療費はここから捻出して伯母の年金口座は伯母が管理したことで自由に使えるお金が目に見えたことです。

「お金のことは、法的に私が守っているから大丈夫」

そう自信を持って言えるようになり、私自身のメンタルも体調も安定しました。(病気は気からって本当ですね。)

介護は感情労働です。だからこそ、お金や手続きだけでも「事務的な仕組み(型)」にしておくことが、共倒れを防ぐ唯一の方法です。

これだけの公正証書と、日々の管理記録。

伯母も私も、今では「大きな盾」を持っているわけですから。

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