家族信託の費用は高い?実家じまい・介護を経験した私が教える「後悔しないための予算」の真実

家族信託・認知症とお金

※本記事は一般的な情報整理であり、個別の事情で結論や費用は変わります。具体的な適用可否・手続き・税務の扱いは、取扱金融機関・公的機関・専門家に確認してください。

「もし親が認知症になったら、あのアパートや実家はどうなるんだろう?」

「銀行口座が凍結される前に手を打ちたいけど、家族信託って100万円くらいかかるって本当?」

こんにちは。介護×相続×終活の手続き伴走ブロガー、アオゾラパズルです。

私はこれまで、家族・親族など4人の相続を見送り、介護や実家じまいなど、いろいろ経験してきました。
元事務職として契約書作成に携わり、MOS資格の取得やプログラミング学習、果てはミシンの整備まで(笑)、「自分の糧になる」と思えば何でも挑戦してきました。

それでも、いざ「家族のお金と法律」の現実に直面すると、複雑さと費用の不透明さに戸惑うことがあります。法律という“ルール”があっても、家族構成・資産の種類・目的(介護費の支払い/不動産の管理/相続対策など)によって、選び方や必要な手続きは大きく変わります。

家族信託は、たしかに初期費用だけを見れば「高い」と感じるかもしれません。ネットで調べても「5万円〜」から「100万円以上」までバラバラで、余計に不安になりますよね。

ただ、「高いから」と先送りにした結果、判断能力の低下などが重なって資産管理が難しくなるケースもあります。状況によっては、成年後見制度など別の選択肢を検討することになり、結果として費用や手間が増える場合もあります(※結論は個別事情で異なります)。

この記事では、家族信託にかかるリアルな費用相場を、実務経験者としての視点と、実際に親族の資産管理と向き合ってきた当事者の視点で、できるだけ分かりやすく整理します。

  • 結局、トータルでいくらかかるの?
  • 自分でやれば安くなる?それともリスクがある?
  • どの専門家に頼むのが、一番コスパがいいの?

読み終える頃には、あなたの家のケースで考えるべき予算感と、次に検討しやすい選択肢(見積もりの取り方・相談先の当たりをつける等)を整理できるようにまとめます。


〖結論〗家族信託の費用相場(目安)

「結局いくらかかるの?」に、まずは目安からまとめます。

家族信託の費用は、50万円〜100万円前後と説明されることがあります。
ただし、資産の種類(不動産の有無)・設計の複雑さ・依頼先の支援範囲で大きく変わるため、最終的には見積もりで内訳を確認するのが確実です。

※本記事は一般的な情報整理です。費用・税務・手続きの扱いは個別事情で変わります。最終確認は、取扱金融機関・公的機関(国税庁/公証役場等)・専門家で行ってください。

※費用は大きく「①専門家報酬(設計・契約書など)」「②公証役場の手数料等(公正証書にする場合)」「③登記の実費(登録免許税など)+登記を依頼する場合の報酬」に分かれます。
このうち変動幅が出やすいのは①の専門家報酬です。見積もりでは、対応範囲(契約書作成・金融機関対応・税務の確認範囲など)と、追加費用が発生する条件をセットで確認するとズレが減ります。


項目費用の目安(例)備考(変動要因/見積もりで確認)
① コンサル・設計報酬(専門家報酬)数十万円〜(難易度・対応範囲で幅)不動産の有無/家族関係・希望の複雑さ/金融機関対応の有無で変動。
「どこまでが基本料金か(面談回数、契約書作成、金融機関連携等)」と 「追加費用が発生する条件(変更回数、資産追加等)」をセットで確認。
② 公正証書作成(公証役場の手数料等)数万円〜(内容・目的価額等で変動)目的価額/条項量/正本・謄本の交付/出張(病院・施設等)の有無で変動。
公証役場に「概要」を伝えて概算確認するとズレが減ります。
③ 登記費用(実費:登録免許税など)評価額・登記内容で変動(+司法書士報酬は事務所により異なる)登録免許税は登記内容・評価額等で変動します。
土地の「所有権の信託の登記」は軽減(0.3%)の扱いがあるため、 適用期限・要件を国税庁資料等で確認。建物は一般に0.4%が用いられます。
「実費(税・書類取得等)」と「報酬(手数料)」が別建てかも必ず確認。

参考:日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」


国税庁:登録免許税の税率の軽減措置(所有権の信託の登記の取扱い・期限の確認に)

日本公証人連合会:公証人手数料(手数料の考え方・変動要因の確認に)

※司法書士の報酬は司法書士(事務所)によって異なります。報酬の額や算定方法、諸費用(実費の扱いを含む)については、依頼前に確認できます。見積もりでは「報酬」と「実費」が分かれているか、追加費用の条件が何かを明示してもらうと安心です。

見積もりで必ず見るべきポイントは3つです。

  1. トータルでいくらかかるか(基本料金+追加の可能性を含めて)
  2. 実費(登録免許税・書類取得・交通費など)が別でいくらか
  3. 追加費用が発生する条件(変更回数、資産追加、金融機関対応など)

〖実体験〗家族信託の「信託口口座」って何?口座凍結を防ぐ仕組みと、使ってわかった意外な不便さ
→ 口座開設でつまずきやすいポイントも書いています。


成年後見制度 vs 家族信託:10年間のコスト感

「初期費用が高くて踏み切れない」方へ、長期の視点で比較します。
お金は大事。でも、自分や家族の労力はタダではありません。時間を守るためにお金は大事ですが、手続きの負担や時間も無視できません。状況によっては、手数料を支払って専門家に依頼し、手戻りや迷いを減らすという考え方もあります(※どちらが良いかは目的・状況で変わります)。

1. 成年後見制度の場合

家庭裁判所が選任した専門職後見人等に、報酬を支払い続ける形になることがあります。
後見人等への報酬は、家庭裁判所の判断や資産状況などで変わります。私の住む地域では「月数万円程度」と説明を受けたことがあります。

※後見人等への報酬は、後見人等から「報酬付与の申立て」があった場合に、家庭裁判所が事案に応じて決定します(報酬額は一律ではありません)。
家庭裁判所が公表する「報酬額のめやす」では、通常の後見事務の基本報酬は月額2万円が目安とされ、管理財産額(預貯金・有価証券等)が大きい場合は月3〜4万円、さらに高額な場合は月5〜6万円とする例が示されています。
また、特別な行為(不動産売却など)や身上保護等に特別困難な事情がある場合は、別途「付加報酬」が加算されることがあります。最終的な金額は個別事情で変わるため、申立て先の家庭裁判所資料で確認してください。

参考(公的情報): 家庭裁判所(例:大阪家庭裁判所)「成年後見人等の報酬額のめやす」


たとえば仮に月3万円が10年続く前提なら、概算で360万円になりますが、実際は前提条件で大きく変動します。

  • 月3万円 × 12か月 × 10年 = 360万円

※加えて、資産の運用や処分に制約が出る場合があります。

2. 家族信託の場合(私の実体験)

  • 初期費用:約50万円(私の場合)
  • その後の管理コスト:家族で管理する場合、外部への継続報酬は抑えられることがあります。ただし、手間(記録・振込・報告など)や実費が発生することはあります。

私は専門家に依頼して約50万円かかりましたが、将来の不確実性に備える一つの手段として、結果的に「払ってよかった」と感じました(※同じ判断が全員に当てはまるとは限りません)。

なお、伯母のケースでは不動産を売却済みで、管理対象が「信託口口座中心」になったため、作業は比較的シンプルでした。
一方で、「身内だから無償で」という運用は、関係性によっては継続が難しくなることもあります。私の場合も、結果的に“淡々と進めるための線引き”が必要になりました。コストは下がりますが、家族関係を保つために「報酬あり」を選ぶのも、一つの現実的な選択肢だと思います。

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実家売却の経験から学んだ「タイミング」の重要性

私は、祖母と伯母の施設入所と自宅売却が同時期に重なった時期があり、かなり大変でした。
当時は、伯母の気難しさ(愛を込めて「ネガモン」と呼んでいました…)や祖母の病気も重なり、正直てんやわんや。

結果として私は、「伯母の自宅を売却した後に家族信託手続き」を選びました

ここで言いたいのは、不動産をどう扱うかは大きな分かれ道だということ。

売却「前」に信託する場合

親の判断能力が低下した場合でも、契約内容によっては受託者(子など)が売却手続きを進めやすくなることがあります。結果として「売りたい時に売れない」事態の回避につながる可能性もあります(※契約設計・金融機関対応・手続きはケースによります)。

売却「後」に現金を信託する場合

伯母のケースはこれ。売却して手元に入った資金を、詐欺や凍結リスクから守る目的で「現金(口座)」を信託しました。

教訓:法律は一つでも、家族の形とタイミングはそれぞれ。
売却を考えているなら、「親が元気なうち」に相談しておくと、選択肢を確保しやすくなります。あとから慌てないための“情報収集”として、早めに動くメリットはあります。


「自分でやる」はなぜ危険?事務職経験者の私でもプロに頼む理由

「契約書を作るだけなら、ネットのひな形で安くできるのでは?」
事務職で契約書に慣れている私でも、一瞬そう思いました。

でも結論として、“全部自分で”は難易度が高いと感じました。内容次第では、あとから修正が必要になったり、金融機関や税務面で確認事項が増えたりする可能性があります。

私が依頼したときも、紹介された地方銀行の担当者は、司法書士・弁護士に確認しながら進め、司法書士側も税理士と連携して慎重に動いていました。
プロ同士でも確認が必要な領域なんです。

私が「任せるべき」と感じた理由は2つ

1)銀行の壁(口座が作れない可能性)
自作の契約書だと、金融機関で信託口口座の開設を断られるケースがあるようです。口座開設でつまずくと、想定していた運用が進めにくくなる可能性があります。

2)税務の壁(申告・届出の抜け漏れ)
信託の設計や運用次第で、提出書類や課税関係が絡むことがあります。自己判断のまま進めるより、少なくとも「必要書類・申告の要否」を専門家や公的情報で確認しておくと安心です(※要件により異なります)。
素人判断で進めると、後から税務面で指摘を受けるリスクが出ます。

対価を支払うかどうかは、費用だけでなく「説明の分かりやすさ」「設計の妥当性」「対応範囲」「将来の運用のしやすさ」まで含めて判断したいところです。


まとめ:まずは無料相談で「我が家の見積もり」を出す

一人で調べていると、「5万円〜」のような一部の数字だけが目について、かえって判断しづらくなることがあります。まずは自分の家の条件(不動産の有無、管理したい資産、目的)を整理してから見積もりを取ると、比較しやすくなります。

  • 自分の家の資産だと、具体的にいくらかかるのか
  • どの専門家(司法書士/弁護士/信託に強い金融機関 等)が適切か

まずは、実績のある専門家の無料相談を活用して「我が家の見積もり」を取る。そうすると、選択肢(家族信託/後見/他の手段)を比較するための土台が作りやすくなります。


余談:相場を知るには“複数見積もり”が最短

住宅の相場を知りたいと思った私は、以下で見積もりを取りました。

  1. 地元(建物がある市町村)の不動産屋さん
  2. 全国区の大手(中古住宅も扱う会社)
  3. 不動産売却査定サイト(例:ホームズ等)

祖母・伯母の分で、結果的にかなりの社数になりましたが、各担当者の話から「共通点」「強み」「ネック」が見えてきます。
当時は必死でしたが、企業の担当者さん達に助けられた面も大きく、今でも感謝しています。

私の経験談が、少しでも参考になればうれしいです。

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