- 法定相続情報一覧図は「相続人を一枚にまとめた公式書類」。無料で何枚でも取得できる
- 法務局HPのテンプレートをダウンロード→Excel作成→郵送申請でOK
- 私はコロナ禍に郵送で申請。メール・電話での修正対応も丁寧だった
- 押印忘れに注意!どれだけ確認しても、チェックリストは必須
- 銀行・郵便局・年金・遺産分割協議書でフル活用。戸籍謄本の束から解放された
- 2024年からの相続登記義務化、2026年2月の新制度にも対応できる
相続手続きをはじめたとき、最初にため息をついたのは書類の多さでした。
戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍……。
亡くなった方の出生から死亡までをたどって集めるだけで、相当な時間と気力を使います。
それを、あちこちの窓口に何度も持って行かなければならない。
「これは何か、もっとラクな方法があるはずだ」と調べてたどり着いたのが、法定相続情報一覧図という制度でした。
作るのは少し手間がかかります。
でも、作り終えたあとの手続きのしやすさは、まったく別物でした。
コロナ禍に郵送申請をした私の体験と、2026年現在の活用シーンをあわせてお伝えします。
法定相続情報一覧図とは
簡単にいうと、「誰が相続人なのか」を一枚の図にまとめて、法務局に認証してもらう書類です。
一覧図には、氏名・生年月日・住所が記載されています。
これがあると、銀行や年金事務所など各種手続きで戸籍謄本の束を毎回提出しなくてよくなります。
無料で何枚でも発行してもらえるので、複数の手続きを同時に進めるときに特に助かります。
※制度の詳細や対象範囲については、こちらの記事もあわせてどうぞ。
コロナ禍、郵送で申請することにした
2021年の春。コロナ禍で物々しかったころに申請をすることになりました。
窓口に足を運ぶのをためらっていた時期でもあり、郵送申請を選びました。
まず法務局のホームページにアクセスして、情報を集め、テンプレートをダウンロード。
Excelで一覧図を作成して出力し、申請書類や戸籍謄本、返送用の封筒と一緒に郵送しました。(レターパックプラスを使用しました)
郵送申請に必要な書類は、大きく3つに分かれます。
被相続人(亡くなった方)の書類
- 出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
- 住民票の除票(本籍地が記載されたもの)
相続人全員の書類
- 各相続人の戸籍謄本または戸籍抄本(最新のもの)
- 住所も記載したい場合は、各相続人の住民票(住所の記載は任意)
申出人(手続きをする人)の書類
- 運転免許証の表裏コピー、またはマイナンバーカード表面コピーなど
一覧図を作成する際には、下約5cmは法務局の認証文スペースとして余白をつくることが必要です。
確認後、認証された写し(Excelで作った一覧図に法務局の番号と印がついたもの)と戸籍謄本が返却されます。
書き方はテンプレートを見ながら進めましたが、「これで合っているのかな?」と不安になる箇所も正直ありました。
それでも、法務局のホームページの説明がわかりやすかったことと、担当の方が電話で丁寧に対応してくださったので、スムーズに進みました。
この法定相続情報一覧図は、ほとんどの場合司法書士が作成しています。
私の場合は、戸籍の読み方を知っていたので司法書士さんから「ご自身で作りますか?」とお話しいただき、引き受けました。作成費用を浮かせることができました。
何度も確認はしたけれど、記載漏れが…
法務局からの着信。
電話を取ると書類が届いたという連絡と、「1か所だけ押印されてませんでしたよ」と。
記載内容はすべて問題なかったのに、最後の最後でハンコの押し忘れ……。
改めて押印してから再送し、無事に受理されました。
二往復してしまったのでレターパックプラスの代金が倍になってしまいましたが、司法書士に依頼した場合の金額の1/10ほどなので、問題ないかなと思いました。
法定相続情報一覧図を使用するのは2週間後の予定でした。提出してから7〜14日程度で交付されると記載があったので早めに郵送したのですが、最終的に3日前に手元に届きました。
念入りに確認したつもりでも、相続手続きというのは毎日さまざまな書類作成と手続きが重なっているので、ヒューマンエラーは起きてしまうものだと思いました。
当時は必死で手続きをしていたので、「何をやってんだ…」と自分を責めてしまうほど追い詰められていたのも事実です。コロナ禍という状況も重なって、精神的にきつかった時期でした。

チェックしたつもり、が一番危ないんですよね。申請書類はチェックリストを手元に置いて、一項目ずつ確認することをおすすめします。私の失敗、ぜひ活かしてください(笑)
実際に使ってみたら、本当に便利だった
受理されてからは、必要な枚数をまとめて発行してもらいました。
一度申請すれば、法定相続情報一覧図は何枚でも発行してもらえます。私は5枚発行。もし足りない場合も、5年以内であれば再申出で再発行ができます。
実際に使った場面はこんなところです。
- 遺産分割協議書の作成
- 銀行・郵便局の口座解約・払い戻し
- 年金の手続き
どの窓口でも、一覧図を見せると話がスムーズに進みました。原本を提出するので、「戸籍謄本を全部そろえて持ってきてください」ではなく、「これ一枚でOKです」という感覚です。
特に複数の金融機関で手続きが重なったとき、法定相続情報一覧図をそれぞれの機関に一枚ずつ提出できたので、本当に助かりました。
戸籍謄本だけで手続きする場合は、出生から死亡までの戸籍一式と各相続人の現在の戸籍謄本を、最低でも2セットずつ用意してこなしていくことになります。
法定相続情報一覧図一枚を各機関に提出するだけで被相続人と相続人の関係が一目でわかる。本当に効率的なものだと思いました。

戸籍謄本の束を毎回カバンに詰めていたあの重さから解放されたとき、「作っておいてよかった」と心から思いました。手間はかかるけれど、その価値は確実にあります。
2026年、今こそ作るべき理由が増えた
私が申請した当時と比べて、法定相続情報一覧図が使える場面はさらに広がっています。
相続登記の義務化(2024年4月〜)
2024年4月から、相続した不動産の名義変更(相続登記)が法律で義務化されました。
相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
→ 参考:相続登記の申請義務化(法務省)
法定相続情報一覧図は、この相続登記の申請にも使えます。
不動産の名義変更を考えている方は、一覧図を先に取得しておくと手続きが一段楽になります。
所有不動産記録証明制度(2026年2月〜)
2026年2月からは、「所有不動産記録証明制度」が始まりました。
亡くなった方が全国どこに不動産を持っていたかを、法務局に一括で調べてもらえる新しい制度です。
→ 参考:所有不動産記録証明制度(法務省)
「実家の他にも土地があったかもしれない」「親の名義の不動産が漏れていないか心配」——そんな方には特に役立ちます。
この証明書と法定相続情報一覧図をセットで活用することで、相続財産の全体像をより確実に把握できます。
よくある質問
Q. 法定相続情報一覧図は自分で作れますか?
作れます。法務局のホームページにExcel形式のテンプレートが用意されているので、それをダウンロードして記入します。私もテンプレートを使って自分で作成しました。
Q. 郵送申請はできますか?
できます。申請書・一覧図・戸籍謄本のコピーなどをまとめて郵送する方法で申請可能です。法務局窓口に行けない方にも対応しています。
Q. 費用はかかりますか?
一覧図の認証・発行自体は無料です。ただし、申請に必要な戸籍謄本の取得費用や郵送費は別途かかります。
Q. 何枚もらえますか?
必要な枚数を申請時に伝えれば、まとめて発行してもらえます。5年以内であれば再申出での再発行も可能です。複数の窓口で同時に手続きを進める場合は、多めに取得しておくと便利です。
Q. どんな手続きに使えますか?
銀行・郵便局の口座解約、年金手続き、遺産分割協議書の作成、相続登記などに使えます。2026年2月からは所有不動産記録証明制度にも対応しています。
まとめ:迷っているなら、作ることをおすすめします
作成には時間も手間もかかります。
テンプレートを見ながら入力して、書類を集めて、郵送して、修正対応して……。
私は押印を忘れるという凡ミスをしてしまいました。
それでも、一度作ってしまえば、その後の手続きがずっと楽になります。
費用もかかりません。
「作ったほうがいいとは聞いたけど、面倒そうで……」と思っている方がいたら、司法書士にお任せするのも一つの選択肢です。戸籍の読み方がわかる方、費用を抑えたい方はぜひ一歩踏み出してみてください。
私自身の体験が、少しでも参考になれば嬉しいです。
※本記事は筆者の個人的な体験をもとに書いています。制度の内容・手続きの要件は変更される場合があります。申請前には必ず最新の法務局・法務省の情報をご確認ください。個別の相続手続きについては、司法書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。


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