- 「相続放棄して」と迫られても、すぐに決めなくて大丈夫。期限は3ヶ月(熟慮期間)、間に合わなければ「期間の伸長」という方法もあります。
- 一度した相続放棄は、原則あとから取り消せません。だからこそ、焦らないこと。
- プラスの財産もマイナスの財産も、両方を調べてから判断を。
- 未納の税金・延滞金は、早めに役所へ相談を(放置すると延滞金で支払いが大きくふくらみます。私の叔父は未納と同じ額の延滞金がついていました)。
- 一人で抱え込まず、弁護士・司法書士という「味方」を持ってほしいと思います。
- 国保と固定資産税の未納+延滞金の明細
- NHKの未払い
- その他もろもろ…総額500万。
- 私は何者か?(叔父の姪っ子です。母はいるけど、高齢で連れてこられませんでした。身分証明としてマイナンバーカードを提示したら、確認事項が減ってスムーズでした)
- 今日来た理由(先日亡くなって、整理をしていたら「差し押さえの書類と未納の書類」が出てきたんです)
- 延滞金の支払い方。支払うかどうかはわからないけど、確認をしに来たというアピール(「誰が相続するのかまだ決まっていないのですが、支払う方法というのはどのようなものですか???」)
- 来所に期限があること(私は県外から来ているので、今日、今知りたいアピール)
- 必要書類を持ってきた(この時点で戸籍謄本が取れればいいのですが、死亡届のコピーを持っていきました)
- その他証明になるもの(法定相続情報一覧図などがあればいいのですが、叔父の場合は相続放棄の可能性があったので、作成していませんでした)
- 預貯金:通帳や残高証明書で確認する。
- 不動産:市区町村で「名寄帳(なよせちょう)」を取り、固定資産評価証明や登記事項証明で価値を確かめる。
- 借金・負債:信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行協会KSC)に開示を請求すると、借入れの有無が分かる。
- 相続放棄の手続き・「3ヶ月」の期限:裁判所「相続の放棄の申述」
- 期限に間に合わないとき(期間の伸長):裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」
- 民法の条文(915条=熟慮期間/921条=法定単純承認/939条=放棄の効力 など):e-Gov法令検索「民法」
- 相続登記の義務化(令和6年4月〜):法務省「相続登記の申請義務化について」
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30秒まとめ
突然「あなたも相続放棄して」と、突然、迫られて。内容もわからないまま、突然「相続放棄して」って…どういうこと…?え?何?どういうこと???…という、ざわつくような経験をしたことはありませんか?
独り身だった叔父が亡くなり、突然親族に迫られた一人です。
私は、なぜ相続放棄をしなければならないの?という疑問を持ち、すぐには返答せず、いろいろ調べてみると…。建物の解体費用と、約15年分の未納の税金と延滞金があり、15年半ほどのNHKの受信料とそれにかかる延滞料金と…支払総額が1100万円!
私が調べたからこそ、わかったことでした。親族はその明細を見て、身動きが取れず…。ただ、独り身だった叔父には関わりたくなかった——それだけだったのかもしれません。
そこで弁護士さんに相談してみると、まさかの回答が。
「え、ここの土地、むしろプラスになる土地ですよ。手放しちゃ駄目です!」
…それならば内容を整理して親族に伝えなきゃ、と。…でも、相続放棄をする結果になってしまいました。
この記事では、私がどう動いたのか、相続放棄の「3ヶ月」という期限までの出来事や財産の調べ方、最終的に相続放棄の手続きをした経験を書きたいと思います。
① 相続放棄しろと迫られ…。
親族からの連絡で、叔父が亡くなりました、と。コロナ禍で数年、会えずにいたので、独り身の叔父はどうしているのか気にはなっていましたが、突然のことでした。
資金もなく、葬儀代をみんなで出し合って最低限のものにしようと動き出したのですが——
近所に住んでいた親族の一人が、こう言ってきたのです。
「相続放棄するから建物も何もいじるな!」
???
「あの建物、解体にいくらかかると思ってるんだ」「通帳のチェックなんてしなくてもいい、土地の名義だって誰のものかわからないんだ!」と感情的になる親族。
叔父とその親族に何があったのかはわかりませんが、温厚な方だったので正直驚きました。
誰も建物を管理するわけでもなく、そのまま放置すれば、今後の法改正や近隣へのご迷惑にもつながります。私たちの代で理解していても、いずれ子どもたちが大変な思いをするのは、気の毒じゃ…。
私たち親族でも、将来の子たちに迷惑をかけるのが一番よくない。私はそう感じていたので、その親族には「私たちの代でちゃんと片づけましょう(相続放棄をする・しないにしても)」と話すと、反論もしませんでした。
その親族は、相続に関わることをしたことはないようでした。私は数か月前に、もう一人の叔父や祖母の相続を扱っていたので、流れだけは理解しています。不明な点は司法書士か弁護士に確認していこう。そう手順がわかっていたので、協力できると思っていました。
しかしな…。この親族はなぜ相続放棄をしたがるんだろう? 隠しごと? 何かを知っているから? 相続放棄の期限は3ヶ月。あっという間だ。これは早めに動いておかないと。
② 叔父の資産状況を調べたら…
相続放棄をする・しない、どちらになってもいいように、叔父の自宅へ行き、登記簿や貴重品などをリストアップしました。自宅から持ち出すことはせず、書類はスマホで撮影して、他の親族にも確認できるようにしました。
登記簿を見つけてみると、叔父の名義になっており、これは問題なし。通帳はあるけど残高はなし。生活に困っていたのか…。あ、叔父さんのメガネだ。部屋に入り、一人で亡くなったことが本当に気の毒で…私は目を真っ赤にしながら「〇〇~ここあけるからね~」と叔父の名前を呼びながら作業をしていました。何もしてあげられなかった。この時、悔しさがこみ上げてきました。
書類がたまっている棚を見つけて調べてみると、3つの封書が目につきました。
建物の差し押さえ通知書。

この書類を見た瞬間、もしやと思い、他の書類を探すと——
国保と固定資産税の未納+延滞金については、未納分が200万。延滞金も同じく200万で、合わせて400万にもなっていて、本当に驚きました…。未納になってしまった場合は、絶対に相談したほうがいいと思いました。
しかし…未納が約15年分。…15年、15年か。。。
そして建物も、かなりの敷地面積なので、安く見積もっても600万とのことでした。
総額1100万。
さて…。こんどはこれらの内容について具体的に聞いていかないと。。。
③ 確認する箇所へすべて聞いてみた
地方税の未納+延滞金で400万と、NHK未納約22万。
司法書士や弁護士に相談する前に、自分で確認できることは確認しておこうと思い、週末ごとに叔父の地元へ通いました(自費で)。
親族は「金にならないんだろうから相続放棄したほうがいい」…と言っていましたが、本当にそうなのか? 理由もなしに「放棄しろ」と圧をかけてくるのも気になっていたので、調べて納得できるものは受け入れよう——その時は、そう考えていました。
1. 地方税の未納について役所へ。
亡くなった祖母の時もそうでしたが、話をする手順はこうでした。
曖昧にしてしまうと、何度も通うことになりますし、窓口の方の対応経験が乏しいと、確認に手間も時間もかかってしまって、大変なことになります…。
延滞金のことですので、担当の方は「別室でお話ししましょう」と、私を案内してくれました。「延滞している内訳を出してきますので、お待ちくださいね」と、待たされること約10分。…担当の方が戻ってきたら「延滞しているから払って!」と怒られないか、とドキドキしていましたが、担当の方は申し訳なさそうに「あの…枚数がこれだけありまして…」と、約15年分の明細(8ページ)を私の目の前に出してきました。…そうですよね、まさかこんなにためているとは思っていなかったですよね…。
事情を話したうえで、担当者の方はいろいろな方法を教えてくれました。役所からすれば支払ってほしいというのが本音です。
担当者の方が言いづらそうに話した一言が、忘れられなくて…。
「未納のものがこの金額で…あれ…延滞金がついて、倍になってしまってますね…。」
A4サイズ8枚もの「未納明細書」約15年分。
明細をひとつずつ確認しました。市民税・県民税・固定資産税・国民健康保険税・介護保険料…ほぼ全部。「なぜ役所に相談しなかったんだろう? 民生委員さんは来ていたのかな…他の親族は知ってたんだろうか…」いろいろな思いが出てきたけど、言えるのは、叔父が人に頼るのが苦手だったということ。それは前から聞いていたので、この明細が物語っているなと感じました。
そうなんです。私、そのことについて、どうにかなる方法を聞きたくて来たんです。
結論から言えば、未納金も延滞金も全額を支払わなければ、差し押さえは解除になりません。預金や建物を売ろうにも、差し押さえ通知書が解除されなければ、資産は動かせないのです。
未納の税金を支払ったとしても、延滞金が大きいので、解除になるかわからないですよね…。うーん。
気づくと担当者の方は、対処法を一生懸命探してくれていました。相続人の人数で分割して支払い、差し押さえを解除してもらう、など。
このあと相談するといいと案内された年金課の方も、資産税課の方も、同じように方法を探してくれましたが、やはり「差し押さえ通知書の解除」がネックでした。
役所のなかをいくつも廻っていたとき、ある部署の担当者が、周りに聞こえないほどの小声で「コロナ前に伺って、いろいろ提案していたんです…」と、そっと打ち明けてくれました。前の配属先でのやり取りを、鮮明に覚えていてくれたようです。叔父の当時の姿を知る方にお会いできるとは思わず、「いろいろとありがとうございました」と、ほかの職員に気づかれないくらいの声でお礼を言いました。
役所には3時間ほどいました。確認できるところは確認をして、それぞれの部署の担当者に、相続人が決まったらお知らせします、と伝えて役所を出ました。
2. NHKのお客様センターへ電話をする
振込用紙の裏面に書かれていたフリーダイヤルに電話をしました。
祖母の時は年払い契約だったので、必要書類を提出して完了しました。
叔父の場合は「未払い分を、お支払いください」と言われたのですが、「相続人が決まり次第、連絡が入ると思いますので」と丁重に回答をしました。
ちなみに叔父の相続に私は該当しませんし、事前に確認していたのですが——受信料には「5年で時効」とされる最高裁の判例があるんです。ただこれ、「時効を主張(援用)して、はじめて5年分だけになる」もので、黙っていれば自動で消えるわけではないんですよね。だから私の一存では明確な回答はできないな、と思って、丁重にお伝えしました。
※これは、私の母が法定相続人で、相続放棄をするかしないか決めていない時点の話です。NHK受信料の支払い義務は、契約や相続の状況によって変わります。「誰でも支払わなくてよい」という意味ではありません。判断はNHKの窓口や専門家にご確認ください。
3. 登記が本当に叔父なのか確認するため法務局へ
「土地の名義だって誰のものかわからないんだ!」と怒鳴ってきた親族の一言も気になり、法務局へ。
古い登記だと変更されていないのはよくある話で、祖母の時もかなり調べた経緯があったので、念のため確認しに行きました。
…うん。大丈夫だ。叔父のものだね。
ここまで調べなくても、のちにわかることなのですが、あまりにも理不尽な言い方でしたので「ほら、叔父の名義じゃない。どこからそんな話が出たの?」
…なんて聞き返すことはしませんでしたが、その時の私は、確認しなければ気がすまなくなっていました。ここまでの資産状況だと、叔父のものはすべて相続放棄になり、何も残らなくなってしまう。それならば、わかるところまで確認してやるぞ!という気持ちが湧いてきました。
④ なぜ親族は相続放棄を迫ってきたのか
当時の私は、相続放棄という制度の「仕組み」を詳しく理解していませんでした。
相続放棄をすると、その人は法律上「はじめから相続人ではなかった」ことになり(民法939条)、相続する権利は次の順位の人へ移ります。借金や解体費用といった負担も、相続をする人へまわっていきます。
親族が私に迫ってきた本当の理由を聞いたわけではありませんが、叔父が困窮していたこと、延滞金があったことを知っていた可能性はあるのだろうと思います。
年金についても確認をしたら、支払う最低年数はクリアしていたのに、一銭も受け取っていませんでした。なぜ届け出をしなかったのか。そのことも、親族は何も話していません。
この時点で、親族の側に、私の知らない何かがあるのだと気づきました。祖父母や他の相続で私が動いてきたのを知っていたからこそ、もう(過去を)触れなさんな——そんな雰囲気でした。
私からすれば、誰かを責めたいわけではなく、『なぜ相続放棄を進めてきたのか』——その理由を知りたかったので、自分の足で動きました。ただ、それだけです。
墓場まで持っていきたいことがあったのか、他の親族に触れられたくなかったのか。いまだにわかりません。
ここまでの内容を、親族には淡々と伝えました。その頃から、だんだんと風当たりが強くなり、私だけが孤立しているかのような状態になってきました。
⑤ 相続放棄の期限は3ヶ月。逆算をして期日を決め、ぎりぎりまで模索した。
「相続放棄には3ヶ月の期限がある」。あっという間です。3ヶ月なんて。
正確には、「自分のために相続が始まったことを知った時から3ヶ月以内」が期限です(民法915条。「熟慮期間」と呼ばれます)。
叔父の場合は孤独死だったので、発見されたのは死亡推定日の3日後でした。
…えっと、どちらだ???
もしも相続放棄をすることになれば、この3日のズレで期日を間違えると、大変なことになります。
結論は「亡くなったことを知らされた日から3ヶ月後」となります。
曜日を見ると、最終日は土日。郵送したとしても、訂正などで返却されることもあるので、確実を期すなら、遅くても2週間前には完成させて…持参するにしても、金曜日の午前中には届けないと…。
祖母の時の頭がグルグル状態再来。脳のリソースが足りなくなると大変だ…。
あたふたしそうになりましたが、間に合わないときは、事前に家庭裁判所へ申し立てることで、この期間を延ばしてもらえる場合があります。被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に、一度問い合わせてみるといいかもしれません(期間の伸長)。
そして、もう一つ大事なこと。相続放棄は、一度してしまうと、原則あとから取り消せません。だからこそ、まわりに「早くしろ」と急かされても、焦って決めてしまわないことが大切なんです。
私は、「3ヶ月」という最悪の想定も考えつつ、調べられるものは調べよう、と決めました。
⑥ 相続放棄の前に調べること
ちょうど祖母の相続が終わったばかりで、そのとき担当してくださった司法書士さんに、今、叔父の件で動いていると話をしました。内容的には司法書士よりも弁護士案件が多くなりそうなので、弁護士に相談してみては?と言われ、叔父のふるさとの弁護士さんのもとへ、毎週、新幹線で通いました。対応方法などを聞きながら、お茶菓子を手に、一つひとつ内容を確認していったのです。
財産調査とは、相続放棄をするかどうかを安全に判断するために行うものです。
そして叔父の場合は、地方税の未納金とNHKについて、実際に役所へ出向いたり電話をしたりして確認し、こういう返答がありました、と報告をしました。
そこから最終的にプラスの財産とマイナスの財産を両方そろえてから判断する、という流れになります。
そして弁護士はこう言ったのです。
「この建物まわり、土地の値段が上がるって話を先日聞いたばかりだから一部の人しか知らない案件だね。相続放棄せずに進めれば、相殺どころかプラスになるところだよ」
…えええ???
8割、9割は「相続放棄だね」と言われることを覚悟していたので、びっくり!
地方税の納税についても、NHKの支払いについても、対処の方法をすべて聞きました。弁護士さんの得意分野によって変わるかもしれませんが、支払いを何とかする策は、ちゃんとあったのです。
ただ、相続人全員の足並みがそろわないと難しいね、と。相続放棄をさせないように話し合ってください、と言われました。
これまでの行動がもしかしたら親族のためになるかもしれない。そう思いました。
⑦ しかし私の知らないところで相続放棄をすすめていた…。
負債よりも、資産の方が多い。弁護士の見立てどおり、本来なら、手放すのが惜しい財産だったのです。しかし現実はそのとおりには進みませんでした。
日にちを決めて集まり、これまでの事を説明しました。しかし、声は届きませんでした。叔父の葬儀はしない、位牌もいらない、こんな資料はいらないから。いいから相続放棄をして。気が付くと、私以外すべての親族が相続放棄をする、と。
私が動いている最中に、怒鳴りつけた親族は全員を説得していたようで、一番の味方である母と弟からも「相続放棄するのが正しい」と。
…白なのに黒とされた。
冷静に見れば、行動を起こさない人が多数のとき、それが正しいと思えてしまうのでしょうか。叔父は最終的に相続放棄され、引き取り手のないかたち(無縁仏)になってしまいました。相続と納骨は別に考えるべきことなのに、そこまで放棄するように話が進んでいたのです。
何もしてあげられなかった。その申し訳なさは、今も胸に残っています。
正直に言えば、「私だけは相続放棄しない」という選択もあるのではないか、と考えた時期もありました。いろいろな人から助けてもらい、教えてもらったのに——何も調べずに話をつけて、周りを巻き込んでしまった人の意見が『正しい』とされる。そんな現実を突きつけられたら、折れてしまいます。ショックでしたね。
最終的に、私は押し負けるかたちで、(母の代わりに)家庭裁判所へ相続放棄の書類を提出しました。
そのあとは裁判所が淡々と手続きを進め、建物は解体されました。豪雪地帯なので、朽ちた建物が近所のご迷惑になることだけは避けられた——それだけでも、よかったのかもしれないな、と。
ところがその土地は、あれよあれよという間に分譲地として整えられ、売れていったのです。解体して数年も経たないうちに。叔父の三回忌前にすべて片付いたんです。
弁護士さんの言ったとおりでした。
放棄を強くすすめていた親族は、それからは決まりが悪くなったのか、私への連絡を避けるようになりました。私の中には、誰かを責める気持ちよりも、「知っていれば、違う結末があったかもしれない」という思いの方が、ずっと強く残っています。
⑧ もし今、相続放棄を迫られているあなたへ
最後に、過去の私のように相続について選択を求められている人へ。
相続放棄の「3ヶ月」という期限を意識しつつ、進めていくことが大事です。基本的なことは専門の弁護士や司法書士に確認をして、状況をまとめてみるのもありかと思います。間に合わなければ、「期間の伸長」という方法もありますし。
プラスの財産もマイナスの財産も、両方確認すること。数字を「知る」だけで、見えてくる景色は変わります。
私の場合は、調べ尽くしても、最終的に押し負けてしまいました。それでも——一人で抱え込まず、「専門家という味方」を持ってほしい。それが、私の言いたいことです。
⑨ その後の弁護士とのやりとり
相続放棄をして、毎週通った弁護士事務所へ行く最終日。相談料を支払うために現金を引き出して伺いました。
いただいた領収書を見ると一桁足りない。
「先生?今日は最終日ですよ?」私は週に一度支払う1時間の相談料金だと思ったのです。
先生は
「いいから。これが弁護士代。…そのかわり、お説教するからね。あなたの親族は、無責任すぎる。あなたは他県から通ってきたのに、何をやってるんだと言いたい。あなたの行動は間違ってないから。今後は親族を叱れるくらい、堂々としていなさい。あなたは、悪くない。いいね?」
そして、「毎週のお菓子、みんなでおいしくいただいたよ。ありがとう」と。
善いものも、悪いものも見てきた職業の方だからこそ言える言葉だな、と思います。今、書いていても目頭が熱くなります。
このブログを読んでくださっているあなたにも、あなたに合うかたちの「味方」が必ずいると思っています。この投稿が、何か一つでもお役に立ちますように。
よくある質問(FAQ)
Q1. 親族に相続放棄を迫られています。断ってもいいのでしょうか?
A. はい、断ってかまいません。相続放棄をするかどうかは、相続人一人ひとりが自分で決められることで、誰かに強制されるものではありません。「3ヶ月」という期限を意識しつつ、まずは財産を調べて、ご自身が納得できる答えを出してみてください。一人で抱え込まず、弁護士さんや司法書士さんに間に入ってもらうのも、心強い方法です。
Q2. 相続放棄をしても、形見分けは受け取れますか?
A. 受け取ること自体はできます。ただし、品物によっては「遺産を自分のものにした」とみなされ、相続放棄そのものができなくなる(借金も含めてすべてを相続することになる)リスクがあるので、見極めが必要です。
判断のものさしは、「売ってお金になる価値があるかどうか」。
| 品物の種類 | 経済的価値 | 受け取り | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 思い出の品 | なし | ◯ できる | 写真、手紙、日記、手帳 |
| 一般の日用品 | ほぼなし | ◯ できる | 使い古した衣類、安価な小物 |
| 高価な品・財産 | あり | ✕ 避けたい | 現金、貴金属、高級時計、ブランド品、自動車 |
民法の「法定単純承認」というルールにより、高価な形見を受け取ると「相続をすべて引き受けた」とみなされ、あとから放棄したくてもできなくなることがあります。迷うような品なら受け取らない、ほかの相続人に一声かけておく、微妙なときは専門家に相談する——この3つを心づもりにしておくと安心です。
Q3. 「3ヶ月」の期限を過ぎてしまったら、もう相続放棄はできませんか?
A. 原則として、期限(民法915条の熟慮期間)を過ぎると相続を承認したものとみなされ、放棄が難しくなります。ただし、借金の存在を知らなかったなど相当な事情がある場合に、例外的に認められることもあります。間に合わないと感じたら、早めに家庭裁判所への「期間の伸長」の申し立てや、専門家への相談を検討してみてください。
Q4. 一度した相続放棄は、あとから取り消せますか?
A. 原則として、取り消すことはできません。だからこそ、迫られても焦らず、財産をしっかり調べたうえで判断することが大切です。「とりあえず放棄」は、避けたいところです。
Q5. 相続放棄をすれば、解体費用や借金は払わなくてよくなりますか?
A. 相続放棄をすると、その人は「はじめから相続人ではなかった」ことになるため、解体費用や借金などの負担も引き継ぎません。ただし、その負担は次の順位の相続人へ移っていきます。最終的に相続人全員が放棄すると、家庭裁判所が選んだ相続財産清算人が手続きを進めることになります。なお、放棄後の管理責任など細かい部分は状況によって変わるため、最終的なご判断は専門家にご確認ください。
この記事で参考にした公的な情報源(一次ソース)
「相談する前に、自分でも確かめておきたい」という方へ。本文で触れた制度や手続きは、次の公的なページでご確認いただけます。私自身も、こうして一つずつ確認しながら動きました。



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