🕐 30秒まとめ
- 仏壇は、普通の引っ越し業者に断られることがあります。私も3社に断られました
- 動かす前に、仏壇の中を写真に撮っておいてください。あとで配置を戻すときに、これが必ず効きます
- 梱包は業者がやってくれました。自分でぐるぐる巻きにする必要はありませんでした
- 動かす前に魂抜き、置いたあとに魂入れ。アート引越センターも公式に、事前の精抜きをお願いしています
- 費用は「運搬費」と「お布施」の2本立てです
- 魂抜きをしないまま動かしてしまった方へ。責めるつもりは一切ありません。まずは菩提寺に相談すれば大丈夫です
仏壇の引っ越し、まず「運んでくれる業者がいない」でつまずいた
そもそも、仏壇が何で運べるのか、私にはわかりませんでした。宅配便は大きさ制限がある業者が大半で、制限がない業者もありましたが、そこも「梱包をしてもらえれば運べます」とのこと。…梱包ですか…。仕事で2メートルの測定器を、段ボールとプチプチ(緩衝材)でぐるぐる巻きにしたことはあります。でも、仏壇をぐるぐる巻きにするのは…。
引っ越し一括見積サイトに登録しました。すると5分もたたないうちに3社から連絡が入り、「仏壇だけを運びたいんです」と説明。「…仏壇…ですか…。それだけはちょっと…。」
最初の3件は、仏壇だけということで断られました。
その後4件連絡が入り、数社は「仏壇だけでも構いませんよ」と。
それなら相見積もりを立てて進めよう、そう思いながら移動元と移動先の住所を伝えたら、今度は新しい壁が出てきました。
「移動先はいいのですが、移動元が私どもの対象外エリアでして…」
でました。。。田舎特有の対象外エリア。
業者さんからは「申し訳ないです…」と、むしろ向こうが恐縮するような形で断られました。いいんです。あなた方は悪くないですから。
最終的には、アート引越センターさんの車一台をチャーターすることができました。
📌 「仏壇だから断られる」は、すべての業者に共通するルールではありません。大手各社は公式に「仏壇の引越しも承っております」と案内しています。断られることもあれば、対応している会社もある――というのが正確なところです。
参考:アート引越センター公式「仏壇の引越しは?」
実際の流れ|魂抜き→搬出→運搬→搬入→魂入れ
| やったこと | |
|---|---|
| 1 | 仏壇を運べる業者を探す |
| 2 | 1か月前に菩提寺へ連絡(電話。連絡したのは弟) |
| 3 | 祖母の自宅で閉眼供養(魂抜き)。住職が来てくれました |
| 4 | アート引越センターが仏壇を搬出 |
| 5 | 御本尊・位牌・遺影は、私が自分の手で持ち出し、自宅へ運びました |
| 6 | 弟が住職を迎えに行き、自宅へお連れしました |
| 7 | 自宅で開眼供養(魂入れ) |
| 8 | 弟と私で、住職を菩提寺へお送りしました |
距離があったのと、時期が冬だったこともあり、地域差はあるかもしれませんが、これらすべてで4時間強かかりました。
連絡も、お布施の額を聞くのも、送迎も、実はほとんど弟がやってくれています。ひとりで全部背負わなくていいんだな、と今振り返ると思います。
梱包は、業者がやってくれました
梱包はアート引越センターが行ってくれました。御本尊・位牌・遺影は、私が自分の手で運びました。
(冒頭の「…梱包ですか…」という不安は、ここで少し軽くなりました。自分でぐるぐる巻きにしなくてよかった、というのが正直なところです。)
動かす前に、仏壇の中を写真に撮っておいてください
住職が搬入されたときにまず確認していたのは、仏具や御本尊さまの配置でした。うちの宗派は浄土宗で、中央の本尊が阿弥陀如来(あみだにょらい)、向かって左の脇掛が法然上人(ほうねんしょうにん)、右の脇掛が善導大師(ぜんどうたいし)となっています。搬出前に写真を撮っておき、搬入後、仏壇に納めたあとにその写真を見ながら配置を確認しました。
仏具の配置は宗派によって決まりがあり、しかも同じ宗派でもお寺やご家庭で少しずつ違うことがあります。ここに書いたのはあくまで「うちの仏壇はこうだった」という話ですので、ご自分の仏壇の配置は、ご自身の菩提寺にご確認ください。


住職が搬入時に配置を見るということ、仏具の配置は宗派で決まっていて素人には戻しづらいということ、そしてスマホ1枚あれば済むということ。この3つがあるので、これから引っ越す方にはぜひお勧めしたいです。
仏間はあったけれど、転倒防止は別の話でした
仏間として初めから作っておいたスペースはありました。ただ、東日本大震災のあと、あれほど大きな地震はまだ来ていなかったので、転倒防止シートや配置については、アート引越センターと相談しながら決めていきました。
📌 家具類の転倒・落下・移動防止対策は、東京消防庁もハンドブックを出して呼びかけています(ただしこれは家具全般の資料で、「仏壇はこう固定するのが正解」という公的な指針ではありません)。
参考:東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」
そもそも「魂抜き」はしないとダメ?しなかったらどうなる?
ここが気になって検索してきた方も多いと思います。最初にお伝えしたいのですが、責めるつもりは一切ありません。
魂抜き(閉眼供養)は、仏壇を動かす前に行うのが一般的とされています。ただ、宗派やお寺、地域によって考え方は違いますし、動かしたあとでも相談に応じてもらえる場合があります。
📌 これは宗教上のしきたりというだけでなく、運送会社の側が引き受け条件として求めている実務でもあります。アート引越センターは公式に「お運びする際には、事前に精抜きをお願いしておりますので、菩提寺またはお近くのお寺にご相談ください」と案内しています(アート公式の表記は「精抜き(しょうぬき)」で、一般に「魂抜き」「閉眼供養」と呼ばれるものと同じ意味合いです)。
参考:アート引越センター公式
私自身がきちんとやっておきたいと思ったのは、位牌や御本尊に魂が入っている、ということを聞いたことがあったからです。それだけの理由です。
もし魂抜きをしないまま動かしてしまったという方は、まずは落ち着いて、菩提寺にご相談ください。
魂抜きの日、実際はどんな感じだったか(服装・用意するもの・お布施)
服装は「普段着」でした
魂抜きの日、私は普段着で臨みました。ただ、これは住職にもよると思います。お茶菓子などを出しても遠慮され、長居されることはありませんでした。あの頃はちょうどコロナがまん延していた時期だったので、そのあたりの事情もあったかもしれません。
特別に用意したものは、ありませんでした
「これを用意してください」と言われたものは、特にありませんでした。ただ、仏壇のお花と線香だけは、自分の判断で新しくしました。
お布施は、水引きなしの袋に入れました
魂抜き・魂入れ代として、水引きなしのお布施袋に、3万円を包みました(住職にいろいろ質問もしたので、その分も含めての金額です)。「法要ではないのでお車代は不要です」と言っていただいたのですが、私と弟とで代わりに送迎をしました。
金額について、菩提寺の住職に直接うかがったところ、「1万円から3万円くらい」と教えていただきました。これはあくまで、私がお願いしたお寺での目安です。地域やお寺によって変わりますので、ご自分の菩提寺にご確認ください。
金額を聞いたのは弟でした。住職は「電話でもご相談ください」と言ってくださるフラットな方だったので、お布施の額は電話で聞いてもいいですし、家族の誰かが聞けば十分だと思います。
宗派で考え方が違います|私は浄土宗。浄土真宗はまったく別
先ほども触れましたが、私の家は浄土宗です。浄土真宗は別の宗派で、考え方が逆になります。
浄土真宗では、ご本尊に魂や性根を入れる・抜くという受けとめをそもそも取りません。呼び方も派によって違います。
| 呼び方 | 公式の記述 | |
|---|---|---|
| 真宗大谷派(東本願寺) | 御移徙(ごいし/おわたまし) | 「浄土真宗では、ご本尊に新しい魂や性根を入れるという受けとめはありません」 |
| 浄土真宗本願寺派(西本願寺) | 入仏法要・入仏式 | 「『お魂入れ』や『お性根入れ』とは言いません」 |
参考:真宗大谷派(東本願寺)公式/浄土真宗本願寺派(西本願寺)公式
お寺や仏具店の解説では「遷仏法要」という言葉も見かけますが、私が調べたかぎり、宗派の公式サイトでは確認できませんでした。お寺によってはそう呼ばれることもある、という程度に受け取っておくのがよさそうです。曹洞宗・真言宗・日蓮宗なども、それぞれ呼び方が違うことがあります。
同じ浄土真宗でも、派によって呼び方が違うくらいですから、ご自分の菩提寺に聞くのが、結局いちばん確実だと思います。
費用|運搬費とお布施の2本立て
梱包、搬出、運搬、搬入の総額で34,500円でした。同じ県内で、往復1時間ほどかかる距離です。
運搬費は距離や仏壇の大きさ、業者によって変わります。お布施は魂抜き・魂入れそれぞれに包むのが一般的です(金額の目安は前の章に書いた通りです)。金額はあくまで目安であって、決まりではありません。
仏壇を「自分で運びたい」ときは?
魂抜きをせずに、そのまま自分で運んでしまう例も実際にあります。家族の形っていろいろありますからね…。
小さい仏壇であれば、自分で運ぶ方もいらっしゃいます。ただ、破損や転倒には注意が必要です。魂抜きの扱いについては、自分で運ぶ場合も同じです。
私の友達を見ていても、宗派や信仰のかたちはさまざまです。私自身は、仏壇があればまずそちらにご挨拶をするようにしています(母方の祖母は「祈祷師にスカウトされたほどの人だった」とよく言っていて、その言葉は今でもよく覚えています)。仏壇や位牌のかたち、骨壺のかたちも、家によっていろいろだと感じています。
もし仏壇を「持っていかない」なら
私は仏壇を移しただけなので、手放してはいません。ただ、叔父の家にあったお札や、祖母の家にあった木彫りの大黒様は、お焚き上げにお願いしたことがあります。そのときのことは別の記事に書きました。
また、仏壇のまわりには、仏具のほかにも「捨てるに捨てられないもの」がたくさん出てきます。実家じまいそのものについては、こちらに書きました。
▼ あわせて読みたい
宅配で供養できる「みんなのお焚き上げ」を2度利用した話。
生前整理の見積もりは36万8千円。実際に出ていったのは45万円でした
まとめ|形にとらわれすぎないでいい
仏壇は普通の引っ越し業者に断られることもありますが、あきらめず探せば見つかります。動かす前の写真、魂抜き・魂入れ、費用の目安――このあたりを押さえておけば、大きく迷うことはないと思います。まずは菩提寺と、仏壇を運べる業者に相談してみてください。
魂抜きなどの考え方には、世代による違いもあると思います。「必ず仏壇を継ぐべき」「位牌を継がなければならない」という考え方もあるかもしれませんが、家族としっかり話し合うことも大切だと思います。私の場合は、仏壇や位牌そのものというより、ご先祖様をどう思いやるか、どう供養するかが本質だと考えるようになりました。
東日本大震災を経験した沿岸地域の方の中には、お墓も仏壇も位牌も遺骨もなくなってしまった方がいらっしゃいます。位牌がなく、納骨だけになってしまった親族も、私にはいます。そうした経験を見てきて、私はそう思うようになりました。
仏壇は、小さなお寺のようなもので、供養をしたり、仏様(ご本尊)をお祀りする信仰の場だと聞いてきました。あとで調べてみたら、浄土宗の公式サイトにも「お仏壇はお寺の本堂を模して造られた、お家の中の小さなお寺」と書かれていて、ああ、聞いてきたとおりだったんだな、と思いました(参考:浄土宗公式「よくあるご質問」)。形にとらわれすぎて、本来大切にしたいことを忘れてしまわないようにしたいな、と思うことがあります。
地域や家によって、理由のわからないローカルルールが残っていることもあります。心の中で供養をする、信仰する。ということも、私はありだと考えています。
FAQ
Q. 仏壇は普通の引っ越し業者に運んでもらえますか?
A. 業者によります。私は3社に断られ、その後もエリア外で断られました。ただ、大手には公式に「仏壇の引越しも承っております」と案内している会社もあります。あきらめず探せば見つかります。
Q. 梱包は自分でやるのですか?
A. 私の場合は、引っ越し業者が梱包してくれました。御本尊・位牌・遺影は、自分の手で運びました。
Q. 魂抜きをせずに仏壇を動かしてしまいました。大丈夫でしょうか?
A. まずは落ち着いて、菩提寺にご相談ください。動かした後でも対応していただける場合があります。宗派やお寺で考え方が違いますので、ご自分のお寺に確認するのが確実です。
Q. 魂抜きのとき、服装は?何を用意すればいいですか?
A. 私のときは普段着でした(住職にもよります)。特別に「用意してください」と言われたものはありませんでしたが、お花と線香は新調しました。
Q. 浄土真宗でも魂抜きは必要ですか?
A. 浄土真宗では、ご本尊に魂や性根を入れる/抜くという受けとめをとらないため「魂入れ」「お性根入れ」とは言いません。呼び方は派によって違い、真宗大谷派は「御移徙(ごいし/おわたまし)」、浄土真宗本願寺派は「入仏法要・入仏式」です。ただし法要そのものは営みますので「何もしなくていい」という意味ではありません。まずはご自分の菩提寺にご確認ください。
一次ソース(すべて2026-07-18 に実物を確認済み)
| ソース | 何の根拠か |
|---|---|
| アート引越センター公式「仏壇の引越しは?」 | 仏壇の引越しに対応/事前の「精抜き」を求めている |
| 浄土宗公式「よくあるご質問」 | お仏壇は「お家の中の小さなお寺」であるという考え方 |
| 真宗大谷派(東本願寺)公式 | 御移徙(ごいし/おわたまし)/魂・性根を入れる受けとめはない |
| 浄土真宗本願寺派(西本願寺)公式 | 入仏法要・入仏式/「お魂入れ」とは言わない |
| 東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック | 家具類の転倒防止対策(※仏壇専用の指針ではない) |
この記事は、私(アオゾラパズル)自身が仏壇の引っ越しをしたときの体験と、調べた一般的な内容をまとめたものです。私は宗教者でも専門家でもありません。魂抜き・魂入れの必要性や作法、費用は、宗派・地域・お寺によって異なります。実際に進めるときは、必ずご自身の菩提寺・宗派、および仏壇を扱う業者にご確認ください。

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